抗がん剤オプジーボ薬価に新たな進展

乳がんで闘病中の小林麻央さんにもオプジーボ投与で注目されましたが、治療効果が高く画期的な新薬との評価がある半面、高額の薬価は国の財政を圧迫しかねないとの懸念が広がっています。





抗がん剤オプジーボとは?

小野薬品工業が開発したがん免疫薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)。オプジーボは、平成26年、ほくろのがんと呼ばれる皮膚がんの「メラノーマ」の新たな治療薬として、厚生労働省から承認されました。

体の免疫の機能を活性化させて、がん細胞を破壊する新しいタイプのがん治療薬で、免疫機能が正常に働いている状態は、体はがん細胞を「自分ではないもの」と判定し、T細胞という免疫細胞が主役となり、がん細胞を攻撃します。

しかし、がん細胞は免疫機能による攻撃を受けないように、PD-L1という物質を作り出し、このPD-L1という物質が、がん細胞を攻撃するT細胞のPD-1受容体と結合すると、「がん細胞への攻撃を止めろ!」という信号が発信されます。こうして免疫機能にブレーキがかかり、T細胞はがん細胞への攻撃ができなくなってしまうことが分かりました。
最先端をいく夢の新薬ですが、このクスリを開発し始め実用化に至るまでは15年という長い年月がかかっているそうです。当然、その間に費やされた研究開発費は莫大なものになり、それが薬価に反映されることになります。

オプジーボの国内販売価格は、100mgがワンボトルで73万円。肺がんの場合、患者さんの体重1kgに対して3mgが必要になり、60kgの人であれば1回の投与あたりで180mg、約130万円の薬代がかかります計算になります。

効果のある反面、副作用も強いオプジーボ

間質性肺疾患

空気を取り込む肺胞という器官が炎症を起こす病気で、炎症が進むと、肺胞が硬くなり空気を十分に取り込むことができなくなります。

重症筋無力症、筋炎

神経から筋肉への情報の伝達がうまくいかなくなる病気で、筋肉の炎症を伴うこともあります。悪化し、息がしにくくなることもあります。

大腸炎、重度の下痢

下痢や、大腸に炎症が起こる大腸炎を発症することがあり、初期症状は、下痢、排便回数の増加、腹痛、血便です。

1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)

1型糖尿病を発症することがあり、インスリン注射による治療が必要になることがあります。定期的に血糖値検査を行います。急速に進行する場合があり、吐き気や嘔吐が現れた後、1週間前後で意識障害等が現れることもあります。

肝機能障害・肝炎

血液中の肝酵素(AST、ALT、総ビリルビン値など)の数値が基準値より高くなります。

甲状腺機能障害

新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンなどを分泌する内分泌器官に炎症を起こし、甲状腺中毒症、甲状腺機能低下症などの甲状腺機能障害を発症することがあります。これらの障害では、下記の症状が現れることがあります。

神経障害

神経に炎症が起こり、感覚や運動に関わる神経が障害される病気で、手足のしびれや痛みなど下記の症状が現れることもあります。

腎障害

腎臓に炎症が起こる腎炎を発症することがあります。定期的に腎機能検査値(クレアチニン等)の測定を行います。

副腎障害

副腎機能が低下することで血糖値が下がることがあり、急性の場合は意識がうすれるなどの症状が現れることがあります。定期的に血液検査(ACTH、コルチゾール等)の測定を行います。

脳炎

脳や脊髄に炎症が起こる病気です。精神障害や意識障害が起こることがあります。

重度の皮膚障害

皮膚や粘膜など、全身に広がるような重度の皮膚症状が起こることがあります。

静脈血栓塞栓症

静脈でできた血のかたまりが血流にのって流れて行き、他の場所の血管をふさいでしまう病気で、肺の血管がつまると、呼吸ができなくなることもあります。

皮膚障害

発疹、かゆみ、白斑や皮膚色素減少症(皮膚が一部白くなる)が現れることがあります。

心臓障害

めまい、動悸、脈拍の異常、意識の低下などが現れることがあります。これらの症状が現れたら、すぐに医師、看護師、薬剤師に知らせましょう。

「格安オプジーボ」は実現するのか?

そのような高額な現状に、保険財政への影響が懸念され、2017年2月から半額に緊急値下げされますが、高額なのは変わりません。そんな中、東京大学発の創薬ベンチャー企業が、「格安オプジーボ」ともいえる新薬の開発を米国企業と進めているそうです。

その名も「ペプチドリーム」。本社を東大駒場キャンパス(目黒区)に置く東証1部上場企業。同社は、小さいたんぱく質「ペプチド」(アミノ酸化合物)の特殊加工技術を持つ。独自技術を駆使して、オプジーボと同じ「第4のがん治療」という分野を目指している。「第4」とは、外科手術、放射線治療、化学療法(抗がん剤)に続く4番目の「がん免疫療法」のこと。

>>ついにオプジーボが半額に(ページ下部)