脳腫瘍とは?原因・症状・検査について

脳は頭蓋骨という脳を保護する骨に囲まれていて、さらに頭蓋骨の内側にある髄膜という膜によって覆われている。脳は大まかに、大脳や小脳、脳幹という部位に分けることができる。脳腫瘍とはこの頭蓋骨の中にできる腫瘍の総称であり、脳や脳の周囲の組織から生じた「原発性脳腫瘍」と、ほかの臓器で生じたがんが血液の流れによって脳に運ばれて増えた「転移性腫瘍」に分けられる。

原発性脳腫瘍の、年間で人口10万人あたりの発生率は、日本での地域がん登録全国推計値によれば3.6人、アメリカでの統計によれば18人と報告されている。(この数の違いは、基礎資料の収集方法、解析方法、人種差によるものと思われる) 頭蓋骨の中は、脳そのもの、脳を包む膜、脳から情報を伝達する脳神経、体の機能を調節するホルモンを分泌する下垂体などで構成されており、これらの各部位からさまざまな種類の腫瘍が発生する



脳腫瘍の主な原因

脳腫瘍(中枢神経を含む)の発生率は、1年間に人口10万人に対して約3.5人と言われています。また、脳腫瘍の原因は、いまだ研究段階ではっきりと判明していませんが、統計的にみると下記の内容があげられます。

食生活や生活習慣

食事の内容で進行を促進させるものとして、高たんぱく・高脂肪食品の過剰摂取などがあげられます。生活習慣の中で進行を促進させるものとして、過度のストレス・喫煙などがあげられます。

身内に罹患者がいる場合や病気を持っている場合
遺伝性は科学的に立証されたわけではありませんが、家系に他臓器のがん・脳腫瘍になった人がいる場合は、脳腫瘍になるリスクが高いと言われています。また、結節性硬化症を持つ人は、発症リスクが高いと言われています。

携帯電話やパソコンの電波
携帯電話やパソコンを長時間使用していると、その電波によって発症リスクが高くなると言われていますが、因果関係はまだはっきりとしていません。

その他
放射線の被曝、有機溶剤などの化学物質、外傷などもあげられています。

脳腫瘍の主な症状
頭痛 / 吐き気 / 嘔吐 / 歩き方・話し方・話の内容の異変 など
脳腫瘍には、腫瘍自体が神経を圧迫したり壊死したりする「局所症状」と、限られた頭蓋内の空間で腫瘍が肥大することによって起こる「頭蓋内圧亢進症状」の2種類があります。

局所症状
脳は神経の中枢ですが、運動や感覚などの様々な機能は脳内で分散されています。

手足のしびれや麻痺 / 言語障害 / 視覚障害 / ふらつき・めまい / 歩行困難 / 顔面麻痺 / しびれ / 嚥下障害(飲み込みにくい)  など

頭蓋内圧亢進症状
限られた頭蓋内で腫瘍が肥大すると、脳を圧迫し頭蓋内の圧が上がります。それに伴い持続的な頭痛・吐き気・うっ血乳頭などが現れるようになります。

頭痛 / 吐き気 / 嘔吐 / 視界がぼやける / 二重に見える / 意識低下 / てんかん発作 / けいれん / 物忘れ  など

脳腫瘍の主な検査・診断

脳ドックを除き、他がん種で行われているような検診制度は設けられていません。脳腫瘍を疑わせる自覚症状がある場合は、早急に医師に相談して症状の神経学的な異常があるかどうかを調べることが大切です。

頭部単純X線写真
通常は骨がない場所に、骨のように固い部分(石灰化)の有無を評価したりします。トルコ鞍の状態をみることで、下垂体腫瘍(かすいたいしゅよう)や頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ)などトルコ鞍(あん)周辺腫瘍の診断にとても有効です。

CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(核磁気共鳴像)
現在の画像診断の中心的な撮影法で、腫瘍の位置や大きさ、画像上の特徴がわかる重要な検査です。最新機器では5mmほどの腫瘍まで分かり、大きさの変化や形状の時間による変化、周囲の脳との位置関係などを見る上でとても重要です。

脳血管造影
脳の血管造影により、腫瘍への栄養血管や血管の性状などの詳細な情報を取得することができます。脳血管造影は診断や手術検討時に、とても重要な検査となります。

エコー(超音波)検査
超音波検査は手術中に行われます。術中の腫瘍の位置を正確に知る上でとても重要な役割を担っています。

病期診断

画像診断により脳腫瘍が見つかった際に治療法を決めるため、どのような種類なのか、さらに悪性なのか良性なのかを判断しなければいけません。悪性の場合はその度合いも重要になります。病期診断は開頭手術を行い、腫瘍を可能な限り切除し、その組織の種類を調べます。万一悪性の場合は、その悪性度を診断します。