白血病とは?原因・治療について

血液細胞には、赤血球、白血球、血小板があり、これらが骨髄で作られる過程(成長分化)でがん化し、異常な細胞となって増殖する病気が白血病です。がん化した血液細胞が増殖すると、正常な細胞は減少し、機能できなくなります。血液細胞にはそれぞれ重要な働きがあり、その働きが阻害されることによって身体にさまざまな症状が表れます。

白血病の主な原因





医学的に完全には解明されてはいませんが、要因の一部は分かってきています。がんは遺伝的要因が大きいと一部で言われていますが、白血病は他がん種と違い遺伝することはありません。また、成人T細胞白血病だけは母から子へ母乳感染することがありますが、その他の白血病は伝染することもありません。

放射線被ばく

代表的な要因は放射線被ばくです。広島と長崎の原子爆弾、そしてチェルノブイリ原子力発電所事故のあとその周辺で白血病が増加したため要因の一つと考えられています。

先天性の染色体異常

ダウン症候群 / ブルーム症候群 / ファンコニー貧血 など
先天性の遺伝子異常を持つ人は、白血病になる可能性が高くなるようです。

喫煙

成人の白血病の約60%といわれる急性骨髄性白血病は喫煙者が多いというデータがあります。

化学物質

ベンゼン、トルエンなどの化学物質も要因の一つと考えられています。

抗がん剤

全ての抗がん剤というわけではなく、アルキル化剤を含む抗がん剤(シクロホスファミドやダカルバジン)が要因といわれています。

一部のウイルス

HTLV-I / EBウイルス など

この2つのウイルスも要因の一つと考えられています。

白血病の主な検査

白血病の診断は、末梢血液検査と骨髄穿刺(骨髄検査)が中心です。これらの検査で、95%は診断がつきます。

末梢血液検査

静脈から採取した血液を調べる方法です。血液検査からわかる内容は以下です。
赤血球数の減少 / 血色素濃度の低下 / 血小板の減少

白血球数が増加している場合が多く、増加している白血球のほとんどが、がん化しています。しかし白血球数が極端に減少している場合も珍しくなく、そういった場合には末梢血液検査のみでは確定診断を得ることが難しい場合もあります。しかし、骨髄穿刺は負担の多い検査のため、血液検査の診断も行います。

骨髄穿刺(こつずいせんし)

胸骨または腸骨(骨盤を構成している骨)に、特殊な針を刺して骨髄液を採取する検査です。骨髄穿刺を行うことによって、白血病の確定診断がほとんどつきます。そのため、白血病の状態を正確に診断するには、骨髄穿刺が必要不可欠なのです。また、採取した骨髄液をギムザ染色と呼ばれる特殊な染色を行い顕微鏡で観察すると、どの種類に属する白血病細胞かが確認できます。さらにペルオキシダーゼ染色という染色で、骨髄性かリンパ性かを識別できます。

白血病の主な治療方法

がん化した白血病細胞を排除し、正常な血液を作り出せる身体に戻すことが目標です。治療法や抗がん剤の種類は白血病の種類や病期によって異なります。

寛解導入療法

2種類以上の抗がん剤を同時に内服または静脈に注入する方法で、多剤併用療法とも呼びます。この治療法は骨髄中の全白血病細胞の数を5%未満に減らすための治療法です。

地固め療法 ・ 強化療法(維持療法)

地固め療法は、完全寛解後は白血病細胞をさらに減少させるために抗がん剤で「地固め療法」を行います。白血病の根絶を目的に行います。強化療法(維持療法)は、地固め療法に続く治療で、寛解状態を長期間維持させて再発を防ぎます。

造血幹細胞移植

強力な抗がん剤治療を行えば多くの白血病細胞が死滅しますが、正常な血液細胞まで死滅してしまいます。すると血球が自己回復できなくなるため、大量の抗がん剤の使用、全身放射線照射、抗がん剤では効果が見られない、というような状況で選択されます。

中枢神経系の治療

急性リンパ性白血病は寛解後にも、中枢神経(脳や脊髄)などにがん細胞が潜んでいると言われ、地固め療法中に中枢神経の治療も行います。

髄腔内投与法 / 中枢神経に対する放射線照射

急性白血病の治療

診断された時点で全身的な病態になっています。白血病治療の最終目標はがん化した血球細胞を排除し、正常な血液に戻す・作り出すことのできる身体にすることが目標です。

◼急性骨髄性白血病 : 寛解導入療法、地固め療法、強化療法(維持療法)、造血幹細胞移植
◼急性リンパ性白血病 : 寛解導入療法、地固め療法、中枢神経系の治療、造血幹細胞移植

慢性白血病の治療

慢性白血病の中でも、慢性骨髄性白血病は症状の進行具合(慢性・急性など)によって治療法が異なってきます。

◼慢性骨髄性白血病

慢性期

現在では、非常に効果の高いイマチニブが登場し、分子標的薬の第一選択となりました。他にも、それぞれの抗がん剤を組み合わせて使用する場合や、造血幹細胞移植も行います。

急性転化

治療が非常に困難で、造血幹細胞移植を行なっても10%程度しか治癒しません。イマチニブは急性転化期でも効果を発揮しますが、寛解期は2ヶ月〜半年程度です。そのため、造血幹細胞移植や急性白血病と同様の治療法を併用します。

◼慢性リンパ性白血病

根本治療はなく完治は困難ですが、日本では「シクロホスファミド」や「フルダラビン」での治療が中心です。併用として抗がん剤も使用されます。

他の白血病治療と異なり白血球数のコントロールだけではなく、リンパ節腫脹や脾腫の改善も行わなければいけません。また、慢性リンパ性白血病では造血幹細胞移植はほとんど例がないため、抗がん剤治療が中心となります。