喉頭がんとは?原因・症状・治療・生存率について

喉仏を中心としてできるがんで、頭頸部に発症するがん種では最も多いと言われています。
喉頭がんは大きく3つに分けられ、声帯部位にできるがんを声門がん、声帯より上にできるがんを声門上がん、声帯より下にできるがんを声門下がんとして分類されています。

喉頭がんの原因

喉頭がんは高齢者に多く見られ、男性では50〜80代、女性でも高齢になるとともに増加傾向にあります。また、女性の喫煙率が上がることで、女性の患者数も増えているようです。

喉頭がんの症状

喉頭がんの症状: 主に、のどや声に関する症状など
喉頭がんの症状は、がんの発生部位(声門、声門上、声門下)により異なります。
例えば、声門がんでは「嗄声」。声門上がんでは「のどの違和感や異物感」。声門下がんでは「初期症状はほぼ無し」などがあります。

喉頭がんの主な症状

初期症状として、声がれが多いです。食べ物を飲み込む際に、違和感を感じる場合もあります。風邪ではないのに、何ヶ月も声がかすれているような状態には、喉頭がんの検査を受けた方がいいかもしれません。

また、がんの発生部位(声門、声門上、声門下)により症状は異なってきます。



声門がんの症状

◼︎ 嗄声(低いガラガラ声、雑音の混じったザラザラ声、かたい声、息がもれるような声など)
◼︎ 進行すると、嗄声がひどくなり呼吸困難が起こる
◼︎ 血痰   など

早期発見ができれば、声帯を残した治療が可能になるため、声を残すことができます。

声門上がんの症状

◼︎ のどの違和感や異物感
◼︎ 嚥下痛
◼︎ 首の腫れやしこり(頸部リンパ節に転移した場合)
◼︎ 嗄声や呼吸困難(声帯に進行した場合)    など

また初発症状として、頸部リンパ節が見られるケースも多く、首の腫れやしこりから発見されることもあります。声門がんと比較すると、治癒率は低くなってしまいます。

声門下がんの症状

◼︎ 初期症状はほぼない
◼︎ 進行して大きくなると呼吸がしづらい など

のどの違和感で受診した際には、リンパへの浸潤などがんが進行していることが多いです。そのため声門がんと比較しても、治癒率は低くなっています。

喉頭がんの主な検査

◼︎ 視診
喉頭鏡という、小さな鏡がついた柄を喉に入れ。患者さんに「あーっ」「いーっ」「えーっ」など、発声をしてもらいながら喉頭内を観察して調べます。頚部リンパ節を触診して、リンパ節転移の有無も調べます。

◼︎ 喉頭ファイバースコープ
先端にライトとカメラが付いている細い内視鏡喉頭ファイバースコープを鼻から入れ、モニターを使って喉頭の内部を直接観察します。痛みはほとんどありません。

また、通常のファイバースコープでは判別できない場合は、ストロボを利用して声帯の振動を観察できるストロボコピーで行われます。

◼︎ 喉頭ストロボスコープ検査
早期発見には声帯振動の異常を見つけることが有用ですが、声帯の振動はあまりに高速で目視はできません。

◼︎ ストロボ発光を用いた喉頭ストロボスコープ検査は、喉頭をスローモーションで確認することが可能で、声帯異常などの有無を調べることができます。

喉頭がんの主な診断

■ 病理組織検査
視診検査で喉頭になんらかの異常が発見された時には、その部位から小さな肉片を採取し、病理組織検査による最終診断を行い、症状を確定します。

採取は局所麻酔を行って、ファイバーを活用して行うこともありますが、3日間入院し、全身麻酔を活用して行う場合もあります。

■ 画像検査
喉頭がんが確定されると、X線検査やCT、MRIなどで、腫瘍の広がりや頚部(けいぶ)のリンパ節転移の有無を総合的に判断します。

喉頭がんの主な治療方法

治療法はがんの部位(声門がん、声門上がん、声門下がん)によって異なってきます。

  • 声門がん : 放射線治療 / 外科療法(喉頭部分切除術・喉頭全摘出術・頸部郭清術)
  • 声門上がん : 放射線治療 / 外科療法(喉頭部分切除術・喉頭全摘出術・頸部郭清術)
  • 声門下がん : 外科療法(喉頭部分切除術・喉頭全摘出術・頸部郭清術)




◼︎ 放射線治療

高いエネルギーのX線などの放射線をあてて、がん細胞を傷つけ小さくします。喉頭も温存することができるため、早期の声門がんに対して多くの場合、放射線治療が行われます。

◼︎ 外科療法

● 喉頭部分切除術

一般に、早期の声門がんが喉頭部分切除術の対象になります。小さな早期がんにはレーザー手術が行われることもあります。喉頭部分切除は、発声機能を保つには有用で声門がんでは喉頭垂直部分切除が行われます。

● 喉頭全摘出術

がんが広い範囲に及ぶ場合などには、喉頭全てを摘出する喉頭全摘出術が第一選択の治療になります。喉頭を全て取るので声は失われます。そのため、最近は本来の適応を超えて、進行がんであっても声を出す機能を温存するために「喉頭亜全摘出術」が行われる場合もあります。

※ 喉頭亜全摘出術・・・がんと声帯など喉頭の4分の3を切除し、喉頭の上下の骨は残しておく手術です。

● 頸部郭清術

声門がんで頸部のリンパ節転移がある場合、片側または両側の耳の後ろから鎖骨までの範囲のリンパ組織を含んだ部分も切除する頸部郭清術が行われます。

喉頭がんから頸部リンパ節への転移は、がん細胞が頸部のリンパ管を通ってリンパ節へ到達して起こるので、リンパ節のみ切除してもあまり意味がなく、リンパ管とリンパ節をすべて切除してはじめて意味があります。

リンパ系は主に頸部の皮膚裏面の脂肪組織の中に含まれるので、頸部郭清術はその脂肪組織を切除することになります。

【 代用音声 】

治療法はがんの部位(声門がん、声門上がん、声門下がん)によって異なってきます。

喉頭全摘出術により声を失った場合は、身体障害者の3級に認定されます。また、声帯に代わる代用音声として、食道発声法、シャント発声法や器具(人工喉頭)を用いた発声法があります。

喉頭がんの生存率

どのがん種でも言えることですが、ステージ・年齢・全身状態等によって条件は変わりますが、喉頭がん全体の5年生存率は、約70%と言われています。

  • 声門がんステージ0〜1b期 : 5年生存率は、約90%
  • 声門がんステージ2期 : 5年生存率は、約85%
  • 声門がんステージ3期 : 5年生存率は、約60%
  • 声門がんステージ4a〜4c期 : 5年生存率は、約40%
  • 声門上がん・声門下がんステージ0〜1期 : 5年生存率は、約90%
  • 声門上がん・声門下がんステージ2期 : 5年生存率は、約80%
  • 声門上がん・声門下がんステージ3期 : 5年生存率は、約60%
  • 声門上がん・声門下がんステージ4a〜4c期 : 5年生存率は、約40%

喉頭がんの転移・再発・末期

初期段階で見つかれば、他がん種と比較して治癒率が高いです。しかし、半年〜1年程放置してしまうと、大きながんになり転移するケースがあります。また、治療後最初の1〜2年のうちに再発することが最も多いです。

末期に至ってしまうと治療の有効性が極めて低くなり、根治は困難になってしまいます。また、治療後の再発リスクも高まります。

【 喉頭がんの末期症状 】
のどの痛みが酷くなる / 出血 / 血痰 / 嚥下障害 / 呼吸困難  など