腎臓がんとは?原因・治療・生存率について

ほとんどが尿を作る腎実質から発生します。これを腎細胞がんと呼び、腎臓がんの90%を占めています。組織学的には腺がんとなります。
残りの10%は腎細胞がんと尿の通路になる腎盂に発生するがんで腎盂がんと呼びます。

腎臓で尿が作られると腎盂と呼ばれる部位に尿が流れ込み、膀胱につながっている尿管を通って尿が流れていきます。この腎盂と尿管にできるがんが腎盂・尿管がんです。

腎臓がんの原因

原因とされている危険因子は長期の喫煙があげられています。喫煙量と喫煙期間が長くなるにつれ発症率が高くなります。その他では高脂肪食や発がん物質なども関与すると言われています。

また、腎盂・尿管がんでは、喫煙とフェナセチン含有鎮痛剤の使用、特殊な化学染料を長期間使用する職業の場合も原因として考えられています。



生活習慣

■ 喫煙 : 喫煙量と喫煙期間が長期になるとともに、発症リスクが上がっていきます。
■ 食事 : 高脂肪食(動物性脂肪・蛋白質の過剰な摂取)による、食の偏りは腎臓に負担を与えてしまいます。

病気

■ 糖尿病・高血圧 : 左の病気以外にも、常染色体優勢遺伝性の疾患をもつ方は、腎臓がんの発症リスクが高いです。
■ ー結節硬化症(プリングル病) : 全身疾患になり、皮膚、神経系、腎、肺、骨など至る所に過誤腫と言われる良性腫瘍ができて遺伝する病気ですが、腎臓がんのリスクを高めます。
■ ー多発性嚢胞 : 腎臓に嚢胞(水がたまった袋)がたくさんできて、腎臓の機能が徐々に低下する遺伝性の病気です。腎臓に負担を与えてしまうため、発症リスクがあります。

その他

■ 遺伝 : 発症しやすい家系があることが知られていますが、家系内発症以外の遺伝子分析に関しては、まだ研究段階となっています。
■ 年齢・体型 : 加齢:腎臓がんは高齢者に多く発症しています。肥満(特に女性)は発症リスクを4倍にし、高血圧では2倍と言われています。
■ その他(腎盂・尿管がん) : 特殊な化学染料や石油由来の有機溶媒(トリクロロエチレン)、カドミウム、アスベストに長期間晒されることなどが発症リスクを上げると言われています。

腎臓がんの症状

腎臓がんの症状 血尿 / 腹部のしこり / 脇腹(腎臓部)の痛みなど

腎臓がんの代表的な症状は3つあり、「3徴」と呼ばれています。
がんの直径が5cmの場合はほぼ無症状で、半数が血尿によりがんが発覚するケースがほとんどです。肉眼で確認できるほどの血尿が出た場合にはがんが進行している状態です。

腎臓がんの検査・診断

主な症状として血尿を挙げましたが、尿検査や血液検査では確定診断は行われません。現在、確定診断は画像診断法が有効とされています。
腎細胞がんでは腫瘍マーカーがなく、血液検査で異常がみられた場合は進行がんとなります。

◼ MRI検査
CT検査でも腫瘍の周囲組織への浸潤度や塞栓の有無など確認ができますが、より正確に確認できるのがMRI検査です。CT検査とMRI検査を併用することで、より正確な確定診断が行えます。

◼ 骨シンチグラフィー
骨転移がないか調べる検査です。

◼ 超音波検査
乳房のX線検査で、上下・左右から乳房を挟んで圧力をかけ、組織が石灰化している部分やこぶ状に固まっている部分を確認します。

腎盂・尿管がんの主な検査・診断

腫瘍の広がりや他臓器への転移を調べるためCT検査やMRI検査なども行います。
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◼ 膀胱鏡検査
尿路上皮がんでは腎盂・尿管がんよりも膀胱がんの発生頻度が高いため、まずは膀胱がんの検査が行われます。

◼ 腎盂造影検査
尿が排出される通り道に造影剤を通し、腹部のX線撮影で腫瘍の存在や部位を調べます。

◼ 尿細胞診検査
尿中には腎盂・尿管・膀胱から剥がれ落ちた細胞が含まれており、その細胞を顕微鏡で観察します。腫瘍や炎症性疾患の有無がわかります。

◼ 超音波検査
腹部超音波検査で腎盂内の腫瘍の有無を確認します。腎臓が機能していない場合は腎盂造影検査ができないため、超音波検査となります。

◼ 逆行性腎盂造影
以上4つの検査を行い、異常が確認された場合に行います。これは尿管から腎盂に向けてチューブを通し、チューブから造影剤を注入する方法です。この検査を行う際は尿管から直接尿を採取し、尿細胞診検査を行うこともあります。



腎臓がんの治療方法

外科手術が基本治療となり、次いで免疫療法が用いられます。他がん種では基本となっている抗がん剤や放射線治療はあまり治療例がありません。それは腎細胞がんに対して、抗がん剤や放射線治療はほとんど有効ではないためです。ただし、転移のある進行がんの場合は、抗がん剤治療となります。

腎臓がんの主な治療法 外科療法 / 免疫療法

腎臓がんの生存率

そのがん種でも言えることですが、ステージ・年齢・全身状態等によって条件は変わるため、下記内容はある程度の目安であることを忘れないでください。

  • 腎臓がんステージ1期 : 5年生存率は、約80%
  • 腎臓がんステージ2期 : 5年生存率は、約60%
  • 腎臓がんステージ3a〜3b期 : 5年生存率は、約40%
  • 腎臓がんステージ4a〜4b期 : 5年生存率は、約20%
  • 腎盂・尿管がんステージ0期 : 5年生存率は、約90%
  • 腎盂・尿管がんステージ1〜3期 : 5年生存率は、約10〜40%
  • 腎盂・尿管がんステージ4期 : 5年生存率は、約10%。転移がんの場合は2年生存率10%