魚油が乳がんリスクを低下させる

いわゆる「オメガ3脂肪酸」が豊富な「魚油」を含んだ食事が、肥満や炎症などで進行する乳がんのリスクを低下させるようだ。がんの専門誌であるオンコジーン誌2015年7月号で報告された。

肥満と乳がんの関連性

肥満や炎症は、閉経後の女性に起こる乳がんをはじめ乳房の病気のリスク要素になる。オメガ3脂肪酸は、専門的には「オメガ3多価不飽和脂肪酸(ω-3 PUFA)」と言う。この脂肪酸は、乳がんのリスクを軽減するほか、肥満性炎症や血糖値の下がりにくさにつながるインスリン耐性も低下させると知られている。研究グループは、卵巣を摘出したメスの免疫が正常なネズミの動物実験を実施。閉経後の乳がんの発生と同様な状態の中で検証した。



乳房の脂肪で炎症治める

遺伝性、高脂肪食にかかわらず、肥満になると乳腺にある脂肪組織の炎症を悪化させると確認。乳腺の腫瘍に変化するのを促した。腫瘍細胞があると、炎症が悪くなるという負のスパイラルの状態もあると見られた。オメガ3脂肪酸はこの問題の状況を解消する効果を持っていた。魚油食を取ると、肥満による乳腺の脂肪組織での炎症を軽くして、実験室レベルで検証するとがん細胞の増殖を邪魔すると分かった。

仕組みも突き止める

オメガ3脂肪酸は腫瘍細胞に直接働くという結果も導いており、「JNK」というタンパク質に取り付いて、増殖を止めたり、腫瘍の細胞を自然な死亡アポトーシスに至らせたりする効果があると突き止めた。オメガ3脂肪酸は健康への効果が幅広く伝えられてきた。乳がんの観点からも魚を取り入れた食事をできるだけ取るようにすると良さそうだ。

文献情報

Chung H et al. Omega-3 fatty acids reduce obesity-induced tumor progression independent of GPR120 in a mouse model of postmenopausal breast cancer. Oncogene. 2015 Jul;34:3504-13.

Omega-3 fatty acids reduce obesity-induced tumor progression independent of GPR120 in a mouse model of postmenopausal breast cancer. – PubMed – NCBI