「タキサン系」抗がん剤をパワーアップする新薬候補

がん細胞の化学療法への抵抗力を高める効果を持つタンパク質として、「Bcl-xL」というタンパク質を確認。このタンパク質を標的とした新薬を使うと、タキサン系抗がん剤の効果を劇的に高められると分かった。

細胞の自己破壊を阻止

英国マンチェスター大学を含む研究グループが、細胞レベルのがん研究専門誌キャンサー・セル2015年7月号で報告した。

がん細胞を分裂させない効果を持つ「タキサン系」と呼ばれる抗がん剤は、乳がんや卵巣がん、前立腺がんに使用されている。研究グループによると、全てのがんに反応するわけではなく、有効な人を見分けることは難しい。

研究グループは、タキサン系抗がん剤が一部のがんに効かない理由を検証。さまざまながんでこの薬剤を使用してみて、一緒に働きが高まるタンパク質の全容をつかもうと目指した。

ここから、薬の効果を左右する可能性のあるタンパク質として、Bcl-xLというタンパク質が浮かび上がった。化学療法によって、本来であれば細胞は自己破壊に至るところ、Bcl-xLがあると、邪魔されて、細胞の生存を促すと見られた。




開発中の薬がまさに当てはまる

Bcl-xLを阻害する医薬品をタキサン系抗がん剤と組み合わせてみると、タキサン系のみの場合よりはるかに多くのがん細胞をやっつけることができた。

研究グループは、このBcl-xLを標的とする医薬品は既に開発されており、臨床試験が行われていると説明。Bcl-xLを組み合わせることで、タキサン系抗がん剤の量を減らして副作用を軽減できるほか、タキサン系で効果がない人に使用してみることもできる。

臨床試験で確認されれば、既存のがん治療の効果を引き上げる治療として注目されそうだ。

文献情報

New drug combo could make cancer more sensitive to chemo

New drug combo could make cancer more sensitive to chemo | Cancer Research UK

Combining chemotherapy with new drugs that target a protein that helps cancer cells to withstand chemotherapy could drastically improve treatment

Topham C et al. MYC Is a Major Determinant of Mitotic Cell Fate. Cancer Cell. 2015 Jul;28:129-40.

MYC Is a Major Determinant of Mitotic Cell Fate. – PubMed – NCBI

Cancer Cell. 2015 Jul 13;28(1):129-40. doi: 10.1016/j.ccell.2015.06.001. Research Support, Non-U.S. Gov’t