「基底細胞様乳がん」誕生の秘密に手掛かり、分化抑制因子4(ID4)が関与

悪性度の高さで知られ、その起源が謎に包まれている「基底細胞様乳がん(BLBC)」の原因について重要な手掛かりが一つ判明したようだ。オーストラリア、ガーバン医学研究所のサイモン・ジュナンカー氏らの研究グループが、オンライン医学誌であるネイチャー・コミュニケーションズ誌において2015年3月27日に報告している。

悪性度の高い乳がん

基底細胞様乳がんは乳がんの中でも悪性度の高いがんとして知られている。このがんはどういった細胞から発生するのか、あるいは原因は何であるかがよく分かっていない。研究グループは、分化抑制因子4(ID4)と呼ばれる分子が乳房で基底細胞様乳がんにもつながる大元の細胞をコントロールすると突き止めた。研究グループは動物実験で、分化抑制因子4の遺伝子がどのように活性化しているかを検証。分化抑制因子4の活発になっている細胞が、乳房の中でまとまったグループをつくっていると確認。乳房で液体を作り出す乳腺のような形にならないように抑え込む効果を持っていた。さらに、分化抑制因子4は極めて悪性度の高い人の基底細胞様乳がんで確認できた。

乳房の「幹細胞」をコントロール

分化抑制因子4が乳房で大元の役割を果たす「幹細胞」をコントロールしていると指摘。基底細胞様乳がんの異質性につながっており、乳房の幹細胞と基底細胞様乳がんの原因がつながっていると説明している。治療が難しいがんであるだけに、有効な治療法につながるか注目される。

文献情報

Junankar S et al. ID4 controls mammary stem cells and marks breast cancers with a stem cell-like phenotype. Nat Commun. 2015;6:6548.

Nat Commun. 2015 Mar 27;6:6548. doi: 10.1038/ncomms7548. Research Support, Non-U.S. Gov’t