アトピー性皮膚炎だと大腸がんが減る

皮膚炎のほか、ぜんそくや花粉症も含めたアトピー性のアレルギーであると、大腸がんの発症や死亡率は減ると分かった。

多人種を対象に検証

N・タンベ氏らの研究グループが、疫学分野の専門誌であるアメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー誌で2015年4月8日に報告している。アトピー性のアレルギー疾患とは、アトピー性皮膚炎が一般的だが、ぜんそくや花粉症も含めている。研究グループは、白人、アフリカ系米国人、ハワイ先住民、日系米国人、ラテン系の男女を対象として、このアトピー性アレルギー疾患と大腸がんの関連を検証した。

発症も死亡も少なく

1993年から2010年の間に、大腸がんを発症したのは4834人、大腸がんによって死亡したのは1363人だった。アトピー性アレルギー疾患があると、男女ともに、大腸がんのリスクが下がると確認できた。危険度は14%低下していた。リスクの低下は、ラテン系の人種を除いたすべての人種で見られた。危険度を人種ごとに見ると、白人は15%減、アフリカ系米国人は19%減、ハワイ先住民は28%減、日系米国人は13%減となっていた。アトピー性アレルギー疾患のある人は、大腸がんによる死亡率も20%低かった。「免疫システムが、大腸がんを潜在的に予防している可能性がある」と研究グループは指摘する。アレルギーだと膵臓がんが少ないという研究報告もある(アレルギーのある人は膵臓がんになりにくいと判明、果物と葉酸でも防げるを参照)。アレルギーは思わぬ利益にもつながる可能性があるようだ。

文献情報

Tambe NA et al. Atopic Allergic Conditions and Colorectal Cancer Risk in the Multiethnic Cohort Study. Am J Epidemiol. 2015 Apr 8. [Epub ahead of print]

Am J Epidemiol. 2015 Jun 1;181(11):889-97. doi: 10.1093/aje/kwu361. Epub 2015 Apr 8. Research Support, N.I.H., Extramural