癌の治療薬はなぜ高額か?

米国でがんになった人は、他の国と比べて、同じ特許の保たれた新薬に対して50%から100%多く費用を払っているという。適切な薬の値段をみんなで推奨しあうような仕組みが必要だという提案が出ている。米国のテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターを中心とする研究グループは、その現状をメイヨ・クリニックが発行する専門紙、メイヨ・クリニック・プロシーディングズ誌オンライン版で2015年3月13日に報告した。

がん治療の負担は多大

米国では、1年間の治療に必要ながん治療薬の平均価格は、2000年には5000ドルから1万ドル、日本円で50万円から100万円程度の水準だったが2012年には10万ドル、日本円で1000万円に上昇した。一方、世帯あたりの平均収入は同時期の10年間で約8%減少。さらに、がんの基礎研究の85%は納税者のお金で賄われている。俗に、「薬の研究開発費が莫大であることを理由に、製薬会社が高い価格を正当化しており、結果として薬が高額になる」との声もある。市場に任せて利益にかなった価格にコントロールするとなれば、薬の開発の革新を止めることになるというものだ。研究グループは反論している。

がん専門医による提言

研究グループはがん治療薬の費用低減のために、以下のような解決策を提言している。米国で医療費に保険料を出している公的保険の団体に薬の値段を交渉する権利を与えること。薬の効果について、外部の団体が適切な値段を推奨するような仕組みを作ること。さらに、薬の費用と利益を考慮した治療方法のガイドラインを作り上げること。薬の個人輸入を認めるなどだ。薬を安く使えるような仕組みは日本でも求められるところ。国際的に話し合いをして良い仕組みを作っても良いのかもしれない。

文献情報

Kantarjian H et al.Why Are Cancer Drugs So Expensive in the United States, and What Are the Solutions?Mayo Clin Proc. 2015 Mar 13 [Epub ahead of print]

Mayo Clin Proc. 2015 Apr;90(4):500-4. doi: 10.1016/j.mayocp.2015.01.014. Epub 2015 Mar 16. Review