大腸がんで「維持療法」抗がん剤「カペシタビン」と「ベバシズマブ」

オランダで行われた臨床試験で、大腸がんの「維持療法」が、生活の質を変えずに進行までの期間を長くするため有効という結果が出ている。抗がん剤の「カペシタビン(一般名)」と「ベバシズマブ(一般名)」の2つの薬を使った治療だ。

2回目の進行まで評価

オランダのアムステルダム大学を含む研究グループが、国際的医学誌ランセットのオンライン版で2015年4月7日に報告した。がんの化学療法では、抗がん剤による最初の治療(導入療法)でいったんがんが小さくなった人に対して、再発する前にさらに効果を上げておく治療を行う場合がある。導入療法で使用した薬の一部を使って引き続き行う化学療法を「維持療法」と呼ぶ。研究グループは、オランダの64カ所の病院からの切除できない進行した再発性の大腸がんの約560人を対象として維持療法の効果を検証している。3種類の抗がん剤(カペシタビン、オキサリプラチン、ベバシズマブ)による導入療法を初めて受けて病状が安定した人だ。対象者を2つのグループに分けて、カペシタビンとベバシズマブを使った維持療法を行うグループと行わずに経過を見るグループに半数ずつ分けてその後を比較している。9週間ごとに病状を評価し、がんが進行した人にはもう一度導入療法を行って、2回目の進行があるまで試験を続けた。この試験は、オランダ大腸がんグループ(DCCG)という研究グループによる、カペシタビンとベバシズマブの維持療法を一般に利用可能とするための最終的な検証の試験「第3相試験(有効性/安全性の最終試験)」である。

副作用は手足症候群

その結果、48カ月を中心とした期間で追跡したところ、2回目の進行までの期間は維持療法グループで11.7カ月、観察グループで8.5カ月と、維持療法グループで進行リスクが37%低下していた。維持療法グループでは「手足症候群」が増加した以外は問題なく、生活の質は両グループで同じだった。なお、手足症候群は、抗がん剤による副作用のひとつで、手のひらや足の裏が腫れて赤くなる、うずくなどの症状。カペシタビンとベバシズマブによる維持療法は有効と見られる結果だった。ベバシズマブは免疫の効果を利用した抗体薬で、治療費用の問題は生じる可能性は残るが、確実な効果が認められるとなると、一般に利用可能となる可能性は出てきそうだ。

文献情報

Simkens LHJ et al. Maintenance treatment with capecitabine and bevacizumab in metastatic colorectal cancer (CAIRO3): a phase 3 randomised controlled trial of the Dutch Colorectal Cancer Group. Lancet. 2015 Apr 7. [Epub ahead of print]