
市販のサプリメントは、推奨された量より多くとると、がんのリスクを高める可能性がある。
10年をかけて検証
米国カリフォルニア大学サンディエゴ校を中心とした研究グループが、2015年3月にジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート誌で報告した。
研究グループは、20年前に研究を開始、果物や野菜を多く取る人はがんになりにくいと観察から分かった。
さらに10年間をかけ、ビタミンとミネラルを含むサプリメントを取った人とニセ薬(プラセボ)を取った人との間で数千人を対象として研究した。
予想通りにはならず
その結果は予測したものにはならなかった。実際、ビタミンを取った人ががんにかかりやすくなったからだ。
また、ベータカロテンのサプリメントを推奨量以上に取ると、肺がんと心臓病の発症リスクが20%高くなった。
葉酸は大腸のポリープの数を減らすと考えられているが、別の試験ではその数が増えた。
取り過ぎは害に?
多くのビタミンは正しい量をとると体に良い。
しかし、余分なビタミンやミネラルはむしろ有害となる。研究グループは、「サプリメントをやめろとまでは言わないが、健康な食事が大前提」と指摘する。
健康的な食事をすることで、食事の中でビタミンやミネラルの推奨量を取ることができる。サプリメントを取っている人には厳しい結果となるが、過剰であるならばサプリメントは必要ないかもしれない。
文献情報
Dietary supplements shown to increase cancer risk
Dietary supplements shown to increase cancer risk – Colorado Cancer Blogs
Tim Byers, MD, MPH, describes research showing that over-the-counter supplements may actually increase cancer risk if taken in excess of the recommended dietary amount.