口腔癌や咽頭癌、治療効果を上げる方法とは?

再発リスクの高い頭頸部扁平上皮がん(口腔がん、咽頭がんなど)は、外科手術でがんを除いた後に、放射線療法と抗がん剤に加え、放射線の効果を上げる薬を併用すると、より治療効果が上がることが分かった。

再発リスクが高い人を対象に

米国ウィスコンシン大学病院などの研究者グループが、がんの国際誌ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー誌2014年8月10日号で報告したもの。研究グループは、頭頸部扁平上皮がんの進行ステージの段階で手術をした人で、術後の病理診断や転移の数などから、再発リスクが高いと判断された238人を対象に、新しい薬の組み合せでの治療効果を試した。治療は2004年4月から2006年12月までの間に開始し、その後数年にわたり経過を追った。対象者は2つのグループに分けられ、一方は「セツキシマブ」+「シスプラチン」(ともに抗がん剤)、もう一方は「セツキシマブ」+「ドセタキセル」(ドセタキセルは、放射線の効果を上げる効果を持つ)を、週1回、放射線照射とともに受けた。

放射線+セツキシマブ+ドセタキセルが良い

結果、2年後までの生存期間は、セツキシマブ+シスプラチンが約7割、セツキシマブ+ドセタキセルが約8割で、ドセタキセルの方が良かった。2年後まで、病気にならずに生存していた期間も、セツキシマブ+ドセタキセルの方が1割ほど良く、7割弱だった。また、「p16」という腫瘍マーカーが陽性の中咽頭がんは、どちらの薬の組み合せでも、p16陰性よりも生存期間が改善していた。

シスプラチンよりドセタキセルが副作用軽い

これまでの研究で、放射線療法+シスプラチンでは、延命効果が見られたが、副作用が増加することが知られていた。今回、治療により血液の細胞が減ってしまう副作用(骨髄抑制)は、放射線療法に加え、セツキシマブ+シスプラチンよりも、セツキシマブ+ドセタキセルの方が軽かった。副作用の粘膜炎については、どちらの組み合せも同程度だった。外科手術で腫瘍を除いた後の、放射線療法+セツキシマブ+ドセタキセルの併用は、新たに有望な治療の組み合わせとして、今後の検討が期待される。

文献情報

Harari PM et al. Postoperative Chemoradiotherapy and Cetuximab for High-Risk Squamous Cell Carcinoma of the Head and Neck: Radiation Therapy Oncology Group RTOG-0234. J Clin Oncol. 2014; 32: 2486-2495.

J Clin Oncol. 2014 Aug 10;32(23):2486-95. doi: 10.1200/JCO.2013.53.9163. Epub 2014 Jul 7. Clinical Trial, Phase II; Randomized Controlled Trial; Research Support, N.I.H., Extramural; Research Support, Non-U.S. Gov’t