大腸癌の予防は「ビーガン」より魚も食べる「ペスコ・ベジタリアン」

野菜中心が良いというのは、Medエッジでも健康に良い食事として紹介している。このたび野菜中心の食事と大腸がんの予防効果の関係、さらにはベジタリアンの中身の違いによる予防効果の差を明らかにする研究報告があった。ベジタリアンと一口に言っても4種類ほどあるようだ。

4種類のベジタリアン

ベジタリアンにも例えば4種類もあるようだ。このたび10万人近い人たちの参加により、4種類のベジタリアンと非ベジタリアンの5つのグループについて、大腸がんのリスクを比較するという研究が報告された。

最もリスクの低いのが、菜食のほかに魚も食べる「ペスコ・ベジタリアン」という内容だ。米国カリフォルニア州にあるロマリンダ大学の研究グループが、有力医学誌の内科版、ジャマ(JAMA)インターナル・メディシンのオンライン版で2015年3月9日に報告した。

一口にベジタリアン(菜食主義)と言っても、実は色々なタイプに分かれている。この研究では、ベジタリアンを食事のパターンで4つのグループに分け、非ベジタリアンとの大腸がんのリスクを比較している。

全く動物性の食品を取らないのは「ビーガン」と呼ぶ。肉類や魚介は食べないが卵や乳製品は食べる「ラクト・オボ・ベジタリアン」と呼ぶ。肉は食べないが魚介類は食べる「ペスコ・ベジタリアン」、少量の鶏肉や魚介類を食べる「セミ・ベジタリアン」という4種類のベジタリアンが存在している。

この研究には、セブンスデー・アドベンティスト教会の信者の男女9万6354人が2002年1月1日〜2007年12月31日までに登録されて、追跡調査された。

20%低い大腸がんリスク

平均追跡期間は7.3年となった。調査期間中に大腸の中でも肛門に近い直腸のがん380人、おなかの多くを占めている結腸のがん110人が記録された。

直腸がんと結腸がんの両方を含む大腸がんのリスクは、非ベジタリアンに比べてベジタリアンは20%以上低かった。危険度は、全ての大腸がん0.78、直腸がん0.81、結腸がん0.71と、2〜3割程度危険度が下がるという結果だ。

非ベジタリアンに比べると、ビーガンの大腸がんに対する危険度は0.84、ラクト・オボ・ベジタリアンは0.82、ペスコ・ベジタリアン0.57、セミ・ベジタリアン0.92。男女差、黒人・非黒人の差はなかった。

一見して分かる通り、ペスコ・ベジタリアンが4割以上の危険度の低下となっている。大腸がんのリスクが、ベジタリアン、特にペスコ・ベジタリアンで低いことから、その食事パターンが大腸がんの第1次予防になる可能性があると研究グループでは考えている。

植物食のススメ

植物食が病気を防ぐか背景には、検査で測ることができるような健康に関わる指標を大きく改善できる効果にあるのだろう。

植物をベースとする食事は、健康になるための費用も低いようだ。米国南カリフォルニア・パーマネンテ・メディカル・グループのコンプリート・ケア・プログラムの研究グループが、研究機関の発行するするパーマネンテ・ジャーナル誌2013年春号で報告している。

健康的な食生活は、植物をベースとする食事によるのが一番の近道。植物をベースとする食事は、費用対効果が高く、リスクが低く、BMI、血圧、血糖の指標なるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)、コレステロール値を下げることができると説明している。

植物を丸ごと食べて、肉や乳製品、卵、精製品、加工品を避ける。不健康なライフスタイルが関与している肥満、糖尿病、心臓病、血管病を防ぐ。結果として、慢性病を治療するための薬を減らし、心臓病による死亡率を減らす。

医師も多くの人に率先して勧めるよう報告では求めている。4種類のベジタリアンの研究も踏まえると、野菜を中心にしながら、肉よりも魚を優先的に取り入れるような食事で効果的に病気を防ぐことができるのだろう。

文献情報

Orlich MJ et al.Vegetarian Dietary Patterns and the Risk of Colorectal Cancers.JAMA Intern Med. 2015 Mar 9. [Epub ahead of print]

JAMA Intern Med. 2015 May;175(5):767-76. doi: 10.1001/jamainternmed.2015.59. Research Support, N.I.H., Extramural; Research Support, Non-U.S. Gov’t

Tuso PJ et al.Nutritional update for physicians: plant-based diets. Perm J. 2013;17:61-6

Perm J. 2013 Spring;17(2):61-6. doi: 10.7812/TPP/12-085. Case Reports