イチゴの成分で大腸がんを予防

イチゴに含まれる植物性化学物質(フィトケミカル)が、大腸がんの予防に効果を示す可能性があるようだ。米国コロンバスのオハイオ州立大学を中心とする研究グループは、その結果を栄養学の専門誌、ニュートリエンツ誌で2015年3月10日に報告した。

大腸がんを誘導してイチゴの力を検証

人間の大腸がん、実験的に誘導した大腸がんは、炎症に伴って促される傾向がある。

この原理を逆手に取って薬や食品で押さえ込めると考えられている。研究グループは、この予防の手段を「凍結乾燥したイチゴ」に求めた。ネズミに対して発がん性物質、神経毒であるアゾキシメタンを1回注射して、その1週間後に、飲み水に発がん促進剤であるデキストラン硫酸ナトリウムを7日間与えた。

その後、凍結乾燥したイチゴを含むエサを、成分の量を変えながら与えて、がんの発生率を比較した。

発がんを抑える

その結果、イチゴを含まない餌と、イチゴを2.5%、5%、10%と異なる量で含むエサで比べると、それぞれがんの発生率が100%、64%、75%、44%と明らかになった。

イチゴは、炎症を起こすきっかけになる物質である「前炎症性メディエーター」の発現を低下させると分かった。

具体的に化学的な影響を調べると、「ニトロソ化ストレス」を抑えたほか、「ホスファチジルイノシトール3キナーゼ」「Akt」「細胞外シグナル調節キナーゼ」「核内因子κBのリン酸化」というそれぞれの要素を低下させると分かった。

イチゴに含まれる成分が、前炎症性メディエーターと発がんシグナル伝達に作用し、大腸がんの発がんに予防効果を発揮すると示された。動物実験というレベルではあるものの、前向きな結果と言えそうだ。

文献情報

Shi N et al.Strawberry Phytochemicals Inhibit Azoxymethane/Dextran Sodium Sulfate-Induced Colorectal Carcinogenesis in Crj: CD-1 Mice.Nutrients. 2015;7:1696-715.

Nutrients. 2015 Mar 10;7(3):1696-715. doi: 10.3390/nu7031696. Research Support, Non-U.S. Gov’t