クルミが結腸癌を抑える?

クルミを食べると結腸がんが抑えられる可能性がある。大腸は盲腸、結腸、直腸から成り、このうち結腸のがんとの関係について関連メカニズムの一端が判明している。

米ハーバード大学医学大学院のマイケル・A・ツーカス氏らの研究グループが、ニュートリショナル・バイオケミストリー誌において2015年4月1日に報告している。

25日間のクルミの効果を確認

研究グループによると、大腸がんは、他の悪性腫瘍と比べると、予防策を取りやすいと見られている。

最近の研究において、ナッツを食べると結腸がんが減ることが明らかにされている(クルミやチアシード、結腸がんに効果?成分の「αリノレン酸」ががん細胞の増殖を邪魔を参照)。

関連した研究報告は出ているものの、根本的なメカニズムは十分に分かっていない。研究グループは、ネズミに結腸がん細胞「HT-29」を投与してがん細胞を体内に定着させるようにした。

その上で7日後から25日間クルミを食べるグループと食べない比較対照のグループにランダムに分けて追跡調査をした。腫瘍と腸を包む組織である「大網」の脂肪を30部位分取って分析。グループの脂質組成の変化を比べた。

脂質のバランスを変える

その結果、クルミを食べたグループと比較対照のグループとの間では脂質の構成に変化が起きていた。「α-リノレン酸」「エイコサペンタエン酸」「ドコサヘキサエン酸」「総オメガ3不飽和脂肪酸」が増えていた。

それぞれ魚の油に含まれていると知られており、心臓や血管の病気を防ぐと注目されている。一方で、アレルギーとの関連もある「アラキドン酸」が減っていた。

最終的な腫瘍のサイズを比べると、オメガ3不飽和脂肪酸の比率が増えるほど、腫瘍のサイズは小さくなる関係が確認できた。

「マイクロRNA」に変化

さらに大腸腫瘍組織の「マイクロRNA(miRNA)」を分析。

クルミを食べているかどうかで変化していた。細胞の中では、遺伝情報に基づいてタンパク質が作られる。マイクロRNAはこの過程を調節する機能を持つ。研究グループによると、マイクロRNAの変化は、炎症を抑えたり、腫瘍に栄養や酸素を供給する血管を抑えたり、増殖を抑えたり、細胞死を引き起こしたりするところに変化を招く可能性があると見られる。

クルミを食べるとマイクロRNAを調節する。どのように病気の悪さに関係するかに研究の余地があるようだ。

文献情報

Tsoukas MA et al. Dietary Walnut Suppression of Colorectal Cancer in mice: mediation by miRNA patterns and fatty acid incorporation. Nutritional Biochemistry. 2015 Apr 1.