赤ワインなぜ癌や糖尿病を防ぐ?

赤ワインの成分の一つにポリフェノールの一種、レスベラトロールがある。レスベラトロールはがんに効いたり糖尿病を防いだり、その仕組みの一端が特定された。





修復する仕組みに関係か

米国のスキャッグス化学生物学研究所の研究グループが、ネイチャー誌で2014年12月22日に報告している。細胞は物理的、科学的なストレスを受けてきずが付く。

その修復を担う仕組みがあって、組織は状態を回復させることができる。レスベラトロールは、このストレスに対する反応を始めるきっかけになるようだとこれまで見られていたが、詳しくは必ずしも分かっていない。

赤ワインは体にいいと言っても、なぜ効くのかが明快なわけでないというわけだ。

心臓や脳神経を保護したり、糖尿病を防いだり、がんを防いだりする効果につながっているとされる。研究グループは、ストレスに対応する過程で、細胞の核に移動をする酵素「ヒトチロシルトランスファ−RNA(tRNA)合成酵素(TyrRS)」に着目。

核は遺伝情報を保っている場所で、DNA、DNAをまとめる染色体が存在する。

レスベラトロールの「チロシン様フェノール環」と呼ばれる出っ張った場所が、うまくこの酵素と組み合わさって核への影響力を変化させる可能性があるのではと仮定をした。

酵素を核に誘う

結果として、仮定は当たっていた。

「2.1オングストローム(オングストロームは100億分の1m)」という解像度で分析したところ、酵素に結合したレスベラトロールを確認することに成功した。

その上で、レスベラトロールが酵素を核の中にいざなって、新たに「PARP1」という酵素を活性化することも確認した。レスベラトロールが特定のターゲットに働いて有効な効果を出していたわけだ。

赤ワインの効果がより科学的に磐石になったといえる。

文献情報

Sajish M et al. A human tRNA synthetase is a potent PARP1-activating effector target for resveratrol. Nature. 2014 Dec 22. [Epub ahead of print]

A human tRNA synthetase is a potent PARP1-activating effector target for resveratrol. – PubMed – NCBI

Nature. 2015 Mar 19;519(7543):370-3. doi: 10.1038/nature14028. Epub 2014 Dec 22. Research Support, N.I.H., Extramural; Research Support, Non-U.S. Gov’t