腹膜播種の症状や原因・治療方法は?

腹膜播種は生存率が低い疾患と言われています。もちろん、適切な治療を行わなければ、腸閉塞や閉塞性黄疸など合併症をきたし今後の生存率にも影響しますが、適切な治療を行えば長期にわたる生存率もあります。

今日では、腹膜播種専門外来を設けている医療機関もあるため、積極的に治療を行うべきでしょう。

腹膜播種は、もともと臓器の中で発生した癌細胞が増殖を続け、発生した臓器から腹膜に漏れ出した後、腹膜に覆われた腹腔内に広がり、別の臓器でがん細胞が増殖し続ける状態のことをいいます。

初期の播種は、とても小さく数も少ないため、自覚症状もなく超音波検査やCT検査を行っても発見されにいくため、早期発見が難しいといわれています。

腹膜播種が進行するときの症状

腹膜播種が進行すると、それに伴い症状が現れてきますが、主な症状としては腹水があります。この癌性腹水の対処法としては、アルブミン点滴や利尿剤投与が一般的ですが、患者によって、効果が出る出ないが場合があります。また血圧も低下し、闘病に必要な体力が奪われることもあります。

しかし、腹水を抜かないと、胃腸・肺が圧迫され、食欲不振や吐き気、息切れなどの症状が現れてくるため、腹水そのものを治療するより、痛みの緩和を最優先にした治療が行われることが多いと言われています。



腹膜播種の原因と治療方法

腹膜播種の原因となるのは、胃癌、大腸癌、卵巣癌であり、最も多いのが、胃癌からの転移です。日本人の場合、6割から7割は、胃癌から起きたものと言われています。次に多いのが大腸癌。婦人科系の癌は、ほとんどが卵巣癌です。

胃、大腸、卵巣など、さまざまな臓器からがん細胞が腹膜に転移してしまうのが、腹膜播種であり、発見もしにくいため、発見された時には進行してしまっている場合が多いとされています。また、ほとんどの場合、手術で取りきることができないため、抗がん剤治療が標準治療になります。場合によっては、ホスピスでの緩和ケアの選択があります。

腹膜播種だけの臨床試験はほとんど行われていない

そのような状況のもと、腹膜播種の患者の間で注目を集めているのが、オクトレオチドという薬剤です。オクトレオチドは、腹膜播種の症状の一つである腸閉塞の治療に用いられる薬です。

このオクトレオチドの効果を調査した研究があり、がん性腹膜炎による重篤な腸閉塞を起こした終末期の患者を対象に、腸閉塞の治療にオクトレオチドを投与した患者群と投与しなかった患者群の2群に分け、生存期間を比較した調査では、オクトレオチドを投与した患者群が、有意に生存率が高い結果が出ました。

オクトレオチドには、痛みを緩和させる効果があるだけでなく、がん細胞を死滅させる効果もあるのではないかと注目されています。