乳癌のしこりの悪性と良性の特徴

乳癌は他がん種に比べて進行スピードは遅く、しこりが1cmの大きさになるまで、約10年の時間がかかる場合が多いといわれています。そのため、小さいしこりの内で発見されれば治癒率は非常に高いとされています。

乳癌の多くの初期症状は「しこり」

この「しこり」は乳癌に見られる最も多い症状の一つで、自己チェックによって発見することが可能ですが、実際には胸のしこりの約80%以上は良性の場合が多いとされています。

主に、線維腺腫や乳管内乳頭腫などの考えられる病状は多く、触診だけで乳癌と確定させることは困難でしょう。しかし乳癌を見つけるための目安として触診は必ず行われます。「乳癌のしこり」の判断目安はどんなものか。



「乳癌のしこり」の判断の目安

医師の感覚にはなってしまいますが、乳房を触る時に分かる「しこりの硬さ・大きさ・動き」などがあげられる。乳癌の多くは、しこりが石ころのように硬く動きません。また初期では無痛であり不均一な凸凹感があります。

ただ、乳癌には周辺組織との境目が「不明瞭」なタイプである浸潤がんと「明瞭」なタイプである非浸潤がんが存在するため、触診はあくまで目安となります。乳癌の自己チェックを行う場合は、他の病状の違いについて正しい知識が必要になります。

下記は、代表的な違いを簡単にまとめたものです。

 「しこり」の悪性と良性の特徴

病状 性質 特徴
乳癌 悪性 月経による影響はない / 石ころのように硬い / 周辺組織との境が「不明瞭」「明瞭」に分かれる / 表面が凸凹していて動かない / 早期では痛みはない / 進行すると痛みが生じる場合がある / 脇下のリンパ節あたりに現れる場合もある
乳腺症 良性 月経前にできて痛みを生じる場合がある / 月経が終わると小さくなる / 周辺組織との境は「不明瞭」 / 大きさは大小様々で、数が多い場合がある / 柔らかく弾力性があり、凸凹感がある
線維腺腫 良性 弾力性があり、よく動く / 痛みはない

乳癌のしこりは「胸」だけではありません。実は脇下にもしこりが現れます。実際、脇下のしこりが乳癌だと診断される場合も多く、脇下の「リンパ節に転移している」ケースがほとんどです。

ただ、やせ気味の場合は正常なリンパ節でも触れることがあります。この場合、超音波検査を行うことによって判断可能なため、この部位にしこりが確認できた場合、乳腺外科に受診しましょう。

冒頭でもあるように自覚できないほどの小さなしこりの場合もあれば、しこりを伴わない乳癌も存在しているため、必ずしも毎日のチェックで「胸にしこりがないから安心」ではないことは前提にしておきましょう。

乳癌は、気づかないうちに転移しているケースも多く、何か違和感を感じた場合には検査を受けることをお勧めします。