
「胸の痛みが気になる・・・」女性なら一度はそれが乳がんではないかと思うだろう。
しかし、乳房に痛みを感じたからといって必ずしも乳がんだというわけではない。
乳がんの痛みは
乳がんの痛みは乳腺炎などに似ており、乳房に痛みが現れるだけでは他の病気と区別がつきにくい。また生理周期によって痛みが現れる人もいる。
大部分の痛みは乳腺炎や乳腺線維腺腫の場合が多く、乳がんとは関係のない良性であり将来的に悪性になる可能性は少ない。さらに病気が潜んでいる場合は、痛みに周期はなく非周期的に現れる点が特徴だ。
このように乳房に痛みを感じるとすぐに乳がんの疑いを持つが、乳がんの代表的な症状は「しこり」だ。
乳房の痛みのほとんどは乳がんの初期症状ではない可能性が高く、その痛みは他の原因であることが多い。
一方、乳がんと疑われる痛みは「片側の乳房一部分」「長期間の痛みの継続」などの特徴があり、ほとんどの場合が片側で、しこりとともに痛みが現れることが多い。
また同時に、脇下にしこりが出る、あるいは乳房の先から色のついた分泌物が出てくる場合なども要注意だ。
悪性度の高い炎症性乳がんについて
特に、悪性度の高い炎症性乳がんは、進行するスピードもあり痛みを伴う。その痛みは、片側の乳房のみに「チクチク」「ズキズキ」などで、腫れや赤みをなど乳頭周辺の皮膚にも変化を起こす。
これは、がん細胞がリンパ管を塞いでしまうことによって、発赤、腫脹、くぼみを引き起こしてしまい、それによって痛みが現れてしまうことが要因だ。
また、乳がんはリンパ節転移しやすいことが知られている。
だが、「乳がんは痛みがないから大丈夫」という情報により放置してしまい、気づかないうちにリンパ節転移を起したケースもあり、その場合、先に転移先の病巣が見つかり、その後、原発は乳がんだったというケースが多いのだ。
できる限り早い段階で見つかれば、乳がんは生存率・予後ともに良い成績のがん種の一つと言えるため、少しでも普段と違う痛みが現れた場合には検査をお勧めする。
「乳がんは痛くないもの」という固定観念をもたず、「痛い場合もある」という認識をもつことは「完治に向けて」非常に重要なのだ。