小野薬品オプジーボ併用で副作用死亡も

肺がんなどの治療に使われる新しい免疫治療薬「オプジーボ」について、製造販売する「小野薬品工業」(大阪市)は19日、自由診療の免疫療法と併用した患者で6人に重い副作用があり、うち60歳代の男性1人が死亡したと発表しました。

同社は「オプジーボは単独投与での安全性で承認された薬。十分な知識・経験を持つ医師が適切に判断して投与してほしい」と呼びかけている。日本臨床腫瘍学会も13日、患者向けに適切な医療機関で治療を受けるよう声明を出していた。

このような記事が2016年07月19日に発表された。

そもそもオプジーボとは

小野薬品工業から販売されている商品名のことで、悪性黒色腫治療を目的とし、
後に非小細胞肺癌・腎細胞癌に適用拡大された分子標的治療薬の一つで、免疫に作用する新しい抗がん剤で一般名は「ニボルマブ」になります。

がんの治療法は、「手術」「放射線療法」「化学療法」の3つが中心ですが、近年では「免疫療法」が注目を浴びています。

私たちの体は外からのウィルスや菌、そしてがん細胞ができると、それらを排除するために「免疫」と呼ばれる機能が体内で働きます。

この機能を利用したのが「免疫療法」であり、その一つとして承認認可されたのが、がん患者の免疫力を高める薬剤「ニボルマブ」・商品名「オブジーボ」になります。



がん細胞について

がん細胞は突然できるのではなく、普段から人の体内で作られおり、発症しない人は、免疫機能によってそれを常に排除しています。

免疫細胞の中の「T細胞」が中心となり、死滅するように導きます。

一方のがん細胞もまた、免疫細胞に見つからないように自分の存在をカモフラージュしようとする働きをし、
免疫細胞が、がん細胞を攻撃できない場合も出てきます。

具体的には、がん細胞は自らを守るために「PD-L1」という物質を作り、このPD-L1という物質が、T細胞の「PD-1受容体」と結合し、がん細胞への攻撃をストップするよう信号を発信します。

これにより、免疫機能が止まり、T細胞によるがん細胞への攻撃をできなくしてしまいます。

そこで、T細胞の動きにストップがかからないようにすれば、免疫細胞が活性化され、がん細胞を強く攻撃することができるということになります。

これを実現したのが、がんの免疫療法に用いられる「オプジーボ(ニボルマブ)」です。

オプジーボ(ニボルマブ)の死亡例

しかし、日本臨床腫瘍学会は7月13日、非小細胞肺がん患者にニボルマブ(抗PD-1抗体)を投与後にEGFR-TKIであるタグリッソを投与したところ、両剤の影響が否定できない間質性肺炎(ILD)が複数報告され、死亡例があると注意喚起を行いました。

ニボルマブは、副作用はおきる

吐き気や脱毛など通常の抗がん剤でみられるような副作用は出ないのですが、免疫反応が過剰になり、
正常な細胞まで攻撃してしまうために、自己免疫疾患に似た副作用がでます。

副作用の治療には、ステロイドや免疫抑制剤を使いますが、重い副作用が出る人の割合は、一般的な抗がん剤の半分以下と少ないものの、間質性肺炎、腸炎、重症筋無力症で亡くなった患者さんもいるので注意が必要です。

死亡例が出ている以上、免疫チェックポイント阻害薬を受ける際にいは信頼できる医師に相談することを推奨します。