千代の富士の膵臓がんとは?

元横綱千代の富士の九重親方が膵臓でがんで死去-61歳

「小さな大横綱」と称された元横綱千代の富士の九重親方(本名秋元貢=あきもと・みつぐ)が31日、東京都内で死去しました。

昨年9月、早期の膵臓(すいぞう)がん手術を受けていたことを明かしており、内臓疾患を理由に7月の名古屋場所を休場。6月中旬から下旬にかけての時期に手術を受けたとみられ、約1カ月の入院治療の後、7月下旬に退院したといいます。


千代の富士はこれまで、史上3位の優勝31度を誇り、昭和から平成にかけて一時代を築いた。初土俵は1970年秋場所。81年名古屋場所後に第58代横綱に昇進した。精悍な顔つきと筋肉質の体から「ウルフ」の愛称で呼ばれ「ウルフフィーバー」を巻き起こした。

通算1045勝、昭和以降3位の53連勝など数々の記録を残した。89年には角界初の国民栄誉賞に輝いた。

91年夏場所限りで現役を引退した後、92年4月から九重部屋を継承。大関千代大海らを育て、2008年に初めて日本相撲協会理事となり、以降は事業部長や審判部長などを務めた。
次女でモデルの秋元梢(29)は同日深夜にツイッターを更新。家族に看取られて穏やかな最期だったことなどを報告するとともに、感謝の気持ちを伝えたという。
膵臓がんとは?

膵臓の細胞から発生する悪性の腫瘍で、ほとんどの90%以上は膵管細胞にがんができる膵管がんです。すい臓がんは早期発見が難しいがんと言われています。また、特徴の一つとして周辺組織に浸潤しやすい性質を持っています。

膵臓がんの主な原因は?

■ 喫煙 : 発がん性物質を含むタバコは、膵臓がんの原因の一つです。
■ 飲酒 : 飲酒、特に一気飲みなどは膵臓に負担をかけます。
■ 食生活:食の欧米化によって、脂肪・たんぱく質などの過剰摂取や、食物繊維の摂取不足などによって免疫低下や食べ方によっても膵臓へ負担をかけます。
■ コーヒー:膵臓がんで亡くなられた方はコーヒーの愛飲者割合が高いと言われ、コーヒーに含まれるカフェインが要因と思われます。
■ 糖分:膵臓は、糖分をインシュリンでエネルギーに変換する役目を持っています。そのため、糖分を摂りすぎると膵臓に負担が大きくかかり、疲弊してしまいます。

その他の原因

■ 加齢:40歳を越えると、加齢による発がんリスクが上がります。ピークは60から70代ですが、30から40代でも危険因子が重なれば発症します。

膵臓がんは初期症状が現れにくく、主に自覚症状だといえます。

ステージごとの症状は?

膵臓がんステージ1期
腫瘍の大きさが2cm以下で膵臓の内部に限局し、リンパ節転移を認めない状態です。初期症状が現れにくいのが特徴で、主な症状として「胃の調子が悪い、背中が痛い、体重減少」などです。

膵臓がんステージ2期
腫瘍の大きさが2cm以下で膵臓の内部に限局し、腫瘍から近い第1群のリンパ節に転移を認める状態です。または、腫瘍の大きさが2cm以上で膵臓の内部に限局して、リンパ節転移を認めない状態です。

初期症状が現れにくいのが特徴で、主な症状として「胃の調子が悪い、背中が痛い、体重減少」などが現れます。
膵臓がんステージ3期
がんは膵臓内部に限局し、腫瘍から少し離れた第2群のリンパ節に転移を認める状態です。または、がんは膵臓の外へ少し出ていますが、リンパ節転移は腫瘍から近い第1群までにとどまっている状態です。

症状は、「胃の調子が悪い、背中が痛い、体重減少」などが現れ、「吐き気や嘔吐、黄疸(皮膚や目が黄変する)」など。他には、血糖のコントロールが急に悪くなったり糖尿病を発症したりすることがあります。
膵臓がんステージ4a期
がんが膵臓の周囲の主要な血管や臓器を巻き込んでいる状態です。
症状は、「背中や腹部の痛み、体重減少、黄疸」です。腹水がたまりはじめると膵臓がんはかなり進行しています。
膵臓がんステージ4b期
腫瘍から離れた第3群リンパ節や離れた臓器に転移を認める状態です。4a期と同様です。腹水がたまりはじめると膵臓がんはかなり進行しています。

膵臓がんの生存率

ステージ1期 : 5年生存率は、約57%
ステージ2期 : 5年生存率は、約44%
ステージ3期 : 5年生存率は、約24%
ステージ4a期 : 5年生存率は、約11%
ステージ4b期 : 5年生存率は、約3%

膵臓がんの検査

膵臓がんの検査は、血液検査、画像診断、内視鏡検査、組織検査です。

◼血液検査
膵酵素アミラーゼ、エラスターゼなどの数値の上昇や腫瘍マーカーCEA、CA19−9、DUPAN−2などの数値の上昇、耐糖能異常HbA1c、血糖などの数値の上昇、インスリンの低下が膵臓がんを疑う参考になります。

血清アミラーゼ(膵酵素アミラーゼ)の基準値の変動範囲は60~250IU/lです。すい臓がんが疑われる場合、2〜3倍の高値を持続します。腫瘍マーカーは、早期ではあまり高い数値が出ないため、早期発見には限界があるとされています。

◼画像検査
画像検査では、腹部エコー、CT、MRIで膵臓に腫瘍が見つかることが多く、診断の上で重要になります。腫瘍の大きさが1cm以上ないと腫瘍かどうか明らかにならないため早期がんを見つけることはできません。

● 腹部エコー
簡単で非侵襲のため、膵病変の検査として役立ちます。腹痛・背痛・黄疸などの具体的な症状が現れている場合は、超音波(エコー)検査が選択されます。

● 造影CT検査
腹部超音波(エコー)検査で異常がある、または異常がはっきりしない時でも、症状や検査などのデータから膵臓に何らかの兆しがあれば行います。この検査は、周辺臓器の転移やリンパ節転移なども検査することが可能です。

画像検査から病状が決定されない場合は、症状などに合わせて「MRI検査、超音波内視鏡検査(EUS)、ERCP、MRCP、PET」などの検査も組み合わせて総合的に確定されます。

すい臓がんの病理検査

■ 内視鏡検査
内視鏡検査は、十二指腸内視鏡を用いて十二指腸乳頭開口部より細いチューブを挿入し、胆管・膵管を造影する内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(ERCP)です。

直接膵管に挿入する膵管鏡は、内視鏡先端に超音波振動子を装着し、内視鏡直視下に胃や十二指腸の管腔内より超音波検査を行い、膵の情報を得る超音波内視鏡などもあります。

主に腫瘍の性質や広がりをみる精密検査として行われます。また、内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(ERCP)の際に、膵液や胆汁を採取して細胞診断を行い、がんの確定診断も行います。

■ 組織検査
腹部に針を刺して腫瘍組織の一部を採る針生検、内視鏡を使って膵管から組織を採取する方法などがあります。

針生検はがん細胞を採取する際、腹部内にがん細胞を飛び散らす可能性があることから、国内ではあまり一般的ではありませんが、がんの確定診断を行うためには重要な検査です。

膵臓に腫瘍があること、その腫瘍ががん以外の原因によるものではないことを確定し、腫瘍の大きさと、周辺臓器への浸潤やリンパ節、肝臓、肺などへの転移を調べます。
膵臓がん治療の基本は、周囲の正常と思われる組織を含めたがん病巣を外科的切除することになります。

外科的切除の対象条件は、「膵臓以外の肝臓や肺などに転移していない、腹膜播種ではない、重要となる臓器に栄養を送る大きな血管にがんが広がっていない」これらの条件を満たす際に対象となります。

しかし、すい臓がんと診断された8割の方は切除手術の対象にならないほど進行しているため、症状を緩和させるための手術と抗がん剤、放射線治療による治療となります。