進行胃がんの定義と特徴

胃がんは、粘膜層→粘膜筋板→粘膜下層というように、内側から外側に深く浸潤していくのだが、がんの深さが粘膜下層までのものを「早期胃がん」、粘膜下層を越えて固有筋層からさらに深く浸潤・進行しているものを「進行胃がん」と分類される。






中でも進行胃がんはその名の通り、進行した胃がんのため、治療も困難で予後も悪く生存率も芳しくない。

「進行胃がん」は、血流・リンパの流れにのって転移しやすい上に、がんがさらに深く浸潤し腹腔内にがん細胞が飛散する腹膜播種なども起こしやすい特徴を持っている。

転移することによって手術だけでは治療が困難になり、さらに予後が悪化してしまう場合が非常に多い。

そのため、治療目的の手術適用は、腹膜播種・遠隔転移がないことが基本目安となる。綺麗に病巣を切除できれば、治癒の可能性は十分にある。ただし、すでに腹膜播種や遠隔転移などが認められる場合は、手術不適応となり化学療法が選択される。

【 進行胃がんに対する手術 】

● 縮小手術:がんが小さく、リンパ節転移がみられない場合に選択される。がんを部分切除するなどの方法があり、胃の機能を十分に温存可能。
● 標準手術(定型手術):胃切除とともに胃から離れたリンパ節も切除する。リンパ節転移が明らかではない場合は、予防目的でギリギリまでリンパ節郭清を行う。
● 拡大手術:リンパ節転移が進んでいる場合、腹腔内とともに大動脈周囲を含めた背中側のリンパ節郭清も行う。また、胃がんが周囲臓器に直接及んでいる場合は、その腫瘍も積極的に切除する。
● 姑息手術:根治治療不可である場合に、原発巣である胃がんだけでも切除する。現在では、医学の進歩によって化学療法・放射線療法などが併用され、治療成績が改善されつつある。

また、進行胃がんは4タイプに分類することが可能で「ボールマン分類」と呼ばれる。中でも最も悪性度の高い胃がんとして有名な「スキルス胃がん」は、4型の一部になる。

特徴 内容
1型 限局隆起型・肝臓に転移しやすい 粘膜から盛り上がっており、頻度は低く予後は良い
2型 限局潰瘍型・肝臓に転移しやすい 進行がんの約25%%を占め、潰瘍を作る
3型 浸潤潰瘍型・がん性腹膜炎を起こしやすい 進行がんの約40%を占め、境界のはっきりしない潰瘍がん
4型 びまん浸潤型・がん性腹膜炎を起こしやすい 粘膜層の下を這うように浸潤する。悪性度が非常に高いため予後は悪い

上記を見ていただくことで読み取れるように、進行胃がんは非常に予後も含め生存率が芳しくないことが窺える。
そこで、この5年生存率や予後を高めるべく、様々な医療・研究の分野で新たな試みが行われ、成果を発揮しつつあるというのだ。