シスプラチン(ランダ)は、プラチナ化合物が成分の抗がん剤で、多剤との併用により、ほとんどのがんに使用することができる。
この抗がん剤は、がん細胞のDNAをつなげ、すなわち架橋することで細胞分裂を妨げ、がん細胞を死滅させるのだ。
現在では多種類のがんにその有効性が証明され、がん細胞が耐性を獲得し、他剤が効かなくなった場合でも効果を示すことで知られているのだ。
しかし、抗がん作用が強く、副作用も激しいという欠点がある。
シスプラチンは様々ながん種において標準治療に組み込まれ、併用または単剤で使用されている。がんの中で扁平上皮がん以外の進行性小細胞肺がん(主に腺がん)の第一選択薬とし、ペメトレキセドと併用されている。
しかし、冒頭で述べたように激しい副作用があり、強い吐き気・嘔吐がみられる。
シスプラチンは、高い腫瘍収縮効果を持つものの、もっとも深刻な副作用は腎不全などの腎臓機能の障害で、投与上で大きな問題とされている。
また、腎臓障害のほか、骨髄抑制などの重篤な副作用が起こることもあり、各機能の検査を行い、状態を十分に観察することが不可欠なのだ。