末期肺がんと向き合う

肺がん末期。このような表現を用いるべきではない。再発や他臓器に転移のある、病期分類でいうところの肺がんステージ4を指しているのであろう。

ステージ4ではなす術がないとでもいうのだろうか。

それは絶対に違う。刻々と治療技術が進歩している今、取り組むべき治療法は数多くある。そして克服される方も数多くいることを忘れてはならい。

肺がんのステージ4の場合、標準治療では抗がん剤治療が中心となる。この時点での抗がん剤治療は一般に副作用の懸念や治療効果の面でも良い印象をもたれないことが多いかもしれない。

またここに来るまでに既にいくつかの抗がん剤をチャレンジしており、薬剤耐性の面からも薬の選択肢が少なくなっているかもしれない。過去の5年相対生存率から考えても難しい治療であることには変わりはない。

しかしここ近年新たな可能性が生み出されつつある。

2015年に適応となった新たな治療薬もその一つだ。これは非小細胞肺がんの進行がんや再発に使用が限られているものの、免疫にブレーキをかけがん細胞への攻撃を止めている「タンパク質PD-1」を阻害し、自己免疫によるがん細胞への攻撃を促すというものだ。がん治療を一変させるのではないかと期待されている治療だ。

また、肺がんをもたらした根源的な原因。すなわち細胞の遺伝子変異に着目した新たな治療の取り組みも行われつつある。まだまだ解明途中のことも多いが、現在のところ「ALK融合遺伝子とEGFR遺伝子変異」という変異タイプが明らかになっており、それに適合した治療を受けることができるという。

肺がんの標準治療では可能な限り手術で取りきることを第一の目標とし、それが最も有効な治療法だという。しかし患者の多くが手術ではなく、またたとえ手術ができた場合であっても抗がん剤や放射線が主な治療手段となる。