肺がんのステージ(病期分類)はがんの進行度合いによって4段階のステージに分けられ、このステージが進行していくほど治療は困難になってくる。
また、ステージに併せて重要になる指標に、治療によってどれくらいの割合で治癒が見込めるかを示す5年相対生存率がある。
100%に近いほど治癒が見込め、0%に近いほど治療が難しいがんであることを意味する。
“5年”という期間が用いられるのは、多くのがんは消失してから5年以降に再発がない場合を“治癒した”とみなしているからである。
各ステージにおける5年相対生存率は表の通りである。
ステージ | 5年相対生存率 | がんの状態 |
---|---|---|
ステージI | 90%~ | がんの腫瘍は筋肉の層まででとどまっている。 リンパ節への転移はなし。 |
ステージII | 50%前後 | リンパ節に転移はしていないが、筋肉の層を超えて少し広がっ ている。 |
ステージIII | 20%~ | がんの腫瘍が広がっており、リンパ節転移もみられる |
ステージIV ※1年生存率 |
0% ※30%~40% |
がんがはじめにできた原発部位を超えて、離れた他の臓器へ転 移している。 |
肺がんの完治の要である早期発見は、ステージI~II段階までであることを指す。ステージが進 むほど病状は悪化し、III期やIV期の“進行がん”の状態まで進むと生存率は大きく下がる。
ステージ IIIからは手術による治療は難しく、ステージIVでは5年相対生存率から1年相対生存率に切り替えてあらわされる場合もある。
ステージの進行によって治療が限られてくることも、生存率を下げてしまう大きな要因である。
全般のがんに比べ、肺がんは早期発見が難しい。ただし、特に進行の早いとされる“小細胞がん”でも治療法の進歩により抗がん剤や放射線が効きやすい性質があり、80%程度は治療ができるようになったとも言われている。
肺がんと診断されたら、ステージと症状の悪化速度をしっかりと把握し、それに適した治療計画を立てていく事が必要不可欠である。