病院の種類
男性不妊に関する専門診療科は泌尿器科だ。産婦人科・婦人科でも検査や治療を受けることは出来るが、泌尿器科の方が男性不妊に関しては上だろう。
また、最近では不妊治療施設で、専門的な男性不妊治療が受けられるようになってきているという。
病院選びのポイント
・男性不妊専門と女性不妊専門との連携がある施設か
・できるだけ仕事に差し支えないように通えるか
・培養士などスタッフが充実しているか
・担当医との相性は良いか
この中で最も重要なのは、担当医との相性だろう。なぜなら、不妊治療にはただでさストレスが付きまとう。
そこに信頼しなければならない担当医から突き放されたまま治療を進めると、さらにストレスが倍増し、上手くいくはずの治療も上手くいかなくなるだろう。
だからこそ夫婦で「信頼できる先生」と出会えたならば、よりコミュニケーションを取り「信頼関係」を築いていくべきだろう。
精液検査の流れ
精液検査は、男性の精子状態を調べる検査なのだ。男性不妊症の診断・治療において最も基本になる検査だ。
病院によっては、不妊治療のみの対応で精液検査をする所があるようなので、現状の精子状態を確認したいだけという場合は、事前に電話で確認が必要だろう。
・その専用容器に精子を採取するが、下記2つの方法から選択が可能。
「自宅で採取して1時間以内に病院へ持って行く方法」
「病院内にある採取室で採取し、スグに提出する方法」
(*自宅採取の場合、持参時の注意などがあるため、確認が必要。)
採取後、2時間以内の精子を十分に液化させてから調べていく。1回目の検査だけで判定することは少ないため、通常は1〜3カ月以内に2回行い、総合的に診断される。
精液検査の費用
2,000〜10,000円
費用は、クリニックにより自由診療と保険診療があるため、差が大きく現れている。そのため、検査を受ける前に費用などは事前に確認しておく必要はあるだろう。
検査結果について
2回目、3回目でも、結果が悪かった場合、男性不妊の専門である泌尿器医の診断を受けることになる。
もし、精液中に精子が全くいない無精子症、またはそれに近い重度の男性不妊症の場合で、精索静脈瘤などの原因が発見された場合、それぞれの症状に合った治療を検討していく。
また、基準値は下回っているが、不妊症レベルは軽度〜中度で精子量が少ない場合でも、妊娠させることは不可能ではない。
その理由は、今ある精子の「質が良い」ものであれば、妊娠させる可能性が高くなるからだ。
では、少ない精子でも、妊娠させる可能性をあげるためにはどうすべきか?
精子の質を上げるためには
精子には、日頃の生活習慣などの改善が必要だ。もちろん、不妊治療を行っている方も治療を成功させるために、治療と平行して心がけるべき内容だ。
熱を避ける
まず、熱に弱い精子を守るため、膝の上にノートパソコンを置いて仕事をしたり、熱がこもりやすいブリーフを穿いたりするのをやめよう。
喫煙・飲酒を避ける
喫煙やアルコールも精子の状態に影響するので、妊娠が成功するまでは控えたほうが無難である。
ミトコンドリアの活性化
いろいろな方法が考えられるが、まずミトコンドリアの状態に注目してみよう。ミトコンドリアは精巣機能を活性化させる力を持っている。
しかし、不規則な生活が続いたり、過剰にストレスがたまっていたりすると徐々に数が失われ、元気の良い精子を作るだけのエネルギーが出せなくなってしまうのだ。
ミトコンドリアは、早寝早起き・栄養バランスのとれた食事・適度な運動によって活性化される。筋肉の中にはミトコンドリアが多く存在するので、トレーニングをすると良いだろう。
それによりミトコンドリアは蘇り、精子へのエネルギー配給もスムーズになり、より質の良い精子が作られ、妊娠力のアップへ繋がるのだ。
また、精子の中片部に存在しているミトコンドリアが元気になれば泳ぐスピードも上がるので、妊娠が成立する可能性も高くなる。