男性不妊の原因のほとんどは、造精機能障害といわれている。精子の数や精液の量、運動量が少ないと射精しても勢いが足りず、妊娠に至らないのだ。
原因はいろいろと考えられるが、単に栄養が足りていない場合もある。「毎日十分な量の食事を取っている」という人でも、問題はそのバランス。精子の状態を良くするために必要な栄養素を取り入れなければ意味がないので注意してほしい。
おすすめ栄養素
おすすめは、次の8つの栄養素である。
1.マカ
マカには、もともと精子の中に多く含まれる亜鉛や、精子の状態を良くするアルギニンなどが入っており、男性機能の向上に役立つ。また、強壮作用が強いことから「天然のバイアグラ」とも呼ばれており、性欲減退に悩む人にも有効だ。
2.亜鉛
亜鉛は、アメリカでは「セックスミネラル」と呼ばれており、精子の生成をサポートしてくれる栄養素である。不足すると精子の数が減ったり、奇形率が上がったりするのでこまめに摂取したい。
3.高麗人参
高麗人参には、興奮作用がある。精力剤として使われることもあり、性欲を高めたい時やED(勃起不全)の改善に役立つ。
4.ビタミンE
ビタミンEには、精巣機能を高めて精子の数を増やす効果がある。毎日200㎎ずつ摂取した男性の精子が10ヶ月後には10倍近くに増えたという実験結果もあり、医師によって処方されるケースも多い。
5.山芋ムチン
山芋は「山のうなぎ」と呼ばれるほど滋養強壮効果が高く、性欲を高めるのに役立つ。独特のネバネバしたものが「ムチン」で、細胞の老化を防ぐ効果もあり、精子の運動量を司るミトコンドリアを元気な状態に維持してくれる。
6.セレン
セレンには精子を形成する働きがある。亜鉛と同じでもともと精子の中に含まれており、細胞を老化から守る抗酸化力も強い。
7.アルギニン
アルギニンは、精子の数を増やす働きをする。また、ED(勃起不全)にも効果があるので、性交がうまくいかないときに試してみると良いだろう。
8.ビタミンQ
ビタミンQには、細胞の老化を防いだり、精子の運動機能を高めたりする効果がある。
サプリメントの併用
これらを食事によって摂ることには限界がある。そのため、不妊治療と一緒にサプリメントを併用する夫婦が多い。
ただし、気を付けなければならないのは、複数の種類のサプリメントを同時に摂取する事によって気がつかないうちに飲み合わせや摂取過多になっているケースだ。
複数のサプリメントを組み合わせるのではなく必要な成分だけが凝縮されたサプリメントの方が不要な添加剤の摂取も少なく飲み合わせの問題も起きにくい。