クローン病は食事が再燃や緩解のきっかけになることが多いため、基本的には栄養療法と食事療法をしっかりと行う必要があります。
食事は「低脂肪・高タンパク・高カロリー」が主になります。
食事の注意点
食事の際は以下の点に注意しましょう。
・脂質は1日30g以下に抑える
・腸管に狭窄がある場合は食物繊維を避ける
・極端に冷たいまたは熱いものは避ける
成分栄養剤(エレンタールやツインラインなど)を行うと再燃を抑えることが明らかになっています。
再燃時は食事の量を減らし、成分栄養剤でカロリーを調整しましょう。
体調が悪いときには…
体調が悪いときには無理して食べるよりも、食事の量を減らしたり、絶食をしたりして腸を休ませてあげましょう。
成分栄養剤は独特な味から敬遠されがちですが、食欲がないときなどにうってつけです。
ゼリーや食事に混ぜたり、100%ジュースと合わせて飲むなど工夫をすると飲みやすくなるのでおすすめです。
体調が悪いときのおすすめレシピ
・お粥 |
全粥75gに対して水50ccを加えミキサーで撹拌する
味が薄い場合は梅や卵、豆乳などを追加して撹拌する |
・野菜スープ |
トマト・・・小さいサイズ1個
じゃがいもやセロリ、玉ねぎなどお好みの野菜・・・各150g トマトジュース・・・80cc 塩こしょう・・・ひとつまみ 砂糖・・・小さじ1/3 オリーブ油・・・好みで少量 |
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・柔らかくしたうどん |
表示されている時間よりも5分ほど長く茹でる
一緒に白菜やほうれん草などと茹でてもok |
・スポーツドリンクやトマトジュース、りんごジュースなど |
トマトジュースやスポーツドリンクには塩や砂糖など塩分と糖分を一緒に摂取できるようにする |
食材を柔らかくしたり、撹拌することで腸への刺激を減らします。
食物繊維など豊富な食材を食べるときにもミキサーで撹拌して繊維を断ち切るなどしてください。
絶食や食事量を減らす場合でも水分の摂取は欠かさないようにしてください。
水分不足は脱水症状を起こし、尿量が減って老廃物が排泄できなかったりなど身体に負担がかかります。
腸内細菌を整える
以前より、クローン病の発症原因の一つとして腸内細菌との関連が指摘されていました。
クローン病の腸内細菌を整えるために有効とされているのがプロバイオティクスです。
プロバイオティクスはもともとクローン病や潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患の腸内細菌のバランスを改善させるために使用されてきました。
プロバイオティクスを使った炎症の抑制効果を計る臨床試験なども行われています。
合わせてプロバイオティクスの作用を増強させる、プレバイオティクスも摂りましょう。
プロバイオティクスのエサとなり、善玉菌を増やす作用があります。
プロバイオティクスは乳酸菌飲料やビフィズス菌入りの補助食品などに多く含まれています。
ノートなどに食事メモを取っておくと便利です。
体調の悪いときには食事に制限がかかる場合もありますが、体調のいいときには今まで控えていた食品にチャレンジして、食事の幅を少しずつ知っていくことも大切です。
大丈夫な食事や、下痢・腹痛が出た食事などその時の体調と一緒にメモを取っておくと今後の献立作りにも役立ちます。