小細胞肺癌のステージ1からステージ4の治療法

小細胞肺癌は、肺がんの約15%を占めていると言われている。他のがん細胞と比べてその細胞が小さい為、そのような名前が付けられた肺がんの一種だ。がん細胞は小さいものの、腫瘍の発育や転移は非常に速く、小細胞肺癌は肺がんの中でも悪性度が高いがんである。

そんな小細胞肺癌、どのような治療が効果的で、生存率はどのくらいなのだろうか。 

小細胞肺癌とは

小細胞肺癌とは先述の通り肺がんの中でも悪性度が高く、進行の速いがんである。手術可能な時期に発見されることは稀で、手術が行われることは少ない。
早い段階からリンパ節や他の臓器への転移がみられる為、ほとんどの場合、進行がんとして発見される。

ただ、他のタイプの肺がんよりも抗がん剤や放射線治療に対する反応が良く、併用化学療法が治療の基本となる。

下記に、小細胞肺癌と非小細胞肺癌の違いをわかりやすく図にまとめた。

進行 放射線治療・化学療法(抗がん剤)の効果
小細胞肺癌 非常に速い 良く効く
非小細胞肺癌
(腺がん)
(大細胞がん)
(扁平上皮がん)
比較的穏やか 反応が悪い

小細胞肺癌の原因

小細胞肺癌の原因は、他の肺がんと同様、喫煙や大気汚染だと考えられている。

特に日本人の喫煙人口増加や高齢者増加に伴い、肺がん(小細胞肺癌)の人口も増えているようだ。
また、これは周知かもしれないが、受動喫煙者も肺がん発生率のリスクが上がるとされている為、喫煙者の近くで煙を吸うという環境をできるだけ避けるべきである。

小細胞肺癌の治療法

小細胞肺癌の治療も、他のがん同様にステージごとに変わってくる。

小細胞肺癌・ステージ1Aの治療法

ステージ1Aの小細胞肺癌の場合は、がんが肺の一部にとどまっていて尚且つその大きさも3cm以下である為、手術でがん腫瘍を摘出して治療は終了となる。

場合によっては手術後に抗がん剤治療が行われることもある。

小細胞肺癌・ステージ1B、2A、2Bの治療法

ステージ1B〜2Bの小細胞肺癌は、手術でほとんどのがん細胞を取り除くことができるが、検査ではわからないがん細胞の転移の可能性がある為、手術後に抗がん剤治療を行うことが推奨されている。所謂「術後化学療法」である。

小細胞肺癌・ステージ3A、3Bの治療法

ステージ3A〜3Bの小細胞肺癌は、他の臓器への浸潤やリンパ節への転移があるものの、がんが一定の範囲内にとどまっている状態であるが、ステージ3の場合は画像検査ではわからない小さな転移がある可能性が高い為、肺のがんとリンパ節には放射線治療と抗がん剤治療、画像検査ではわからない小さな転移には抗がん剤による治療を行う。この、放射線治療と抗がん剤による治療の併用は、所謂「化学放射線治療」である。

小細胞肺癌・ステージ4の治療法

離れた臓器(脳や骨など)への転移がみられたり、肺や心臓のまわりに水がたまっていたりするステージ4(進行がん)の小細胞肺癌には、全身に効果のある抗がん剤治療を行う。

また、抗がん剤治療とともに、苦痛や痛みを緩和する「緩和ケア」を行って、患者の身体的・精神的な苦痛を和らげる。

小細胞肺癌で使われる抗がん剤

小細胞肺癌の抗がん剤治療では、イリノテカンとシスプラチンの組み合わせによる「IP療法」が第一に選択される。また、シスプラチンとエトポシドによる「PE療法」も有効であるとされる。

その他、PE療法とシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンによる「CAV療法」を交互に行うPE・CAV交換療法などが行われる場合もある。

小細胞肺癌の予後および生存率

小細胞肺癌は非常に進行の速いがんであるが、5年後・3年後・2年後にどの程度生存していられるかの統計が出ている。

小細胞肺癌の生存率

5年生存率
(放射線・化学療法)
3年生存率
(放射線)
3年生存率
(化学療法)
2年生存率 (放射線・化学療法)
限局型 20%〜25% 25%〜30% 40%〜50%
進展型 5%〜10%

限局型の小細胞肺癌

限局型は、がん発生部と同じ側の肺、縦隔リンパ節、鎖骨上窩リンパ節にがんがたまっている状態を指す。
がんが3cm〜5cmへと肥大化し転移がおこっているものの、リンパ節まででとどまっており、遠隔転移がない状態だ。
限局型では抗がん剤治療と放射線治療の併用治療が中心である。

進展型の小細胞肺癌

限局型の範囲を超えて浸潤している状態だ。リンパ節転移だけではなく、多臓器への転移も疑われる。TNM分類(※)ではステージ3B〜4にあたり、つまりリンパ節転移があり、尚且つ胸壁、横隔膜、心膜等に浸潤が起こっている。

もしくは、リンパ節転移・遠隔転移があり、尚且つ横隔、心臓、血管、気管、食道等に浸潤している。

進展型ではプラチナ製剤を含む抗がん剤治療が中心だ。また、有効性のデータは限局型に比べてまだ少ないが、治療によりがんがほぼ消失したと判断された場合、限局型同様に予防的に全脳照射が行われる場合がある。