抗がん剤は効く?効かない?抗がん剤の治療について

抗がん剤とは、悪性腫瘍(がん)の増殖を抑えることを目的とした薬剤であり、主としてがんが細胞分裂する過程に働きかけ、細胞の増殖を妨ぎ、成長を遅らせたり、転移や再発を防いだりなどの治療のために用いられます。

がん病巣を完全に破壊し、完治を目指すほか、手術前に投与し病巣を収縮し、切除しやすくさせたり、術後の転移や再発を防いだりするなど、補助的に用いられることもあります。

血病や悪性リンパ腫など手術の対象とならないがんでは、抗がん剤の役割はより大きくなります。このようにがんの種類によって、抗がん剤治療が第一選択の治療法とされることがあります。

しかし、抗がん剤が効いて縮小・消失、あるいは寛解がみられた場合でも、のちのち腫瘍が大きくなり、再発することもあり、抗がん剤が効いていても「治る」イコールとはならないケースもあります。

気になる抗がん剤の副作用について

抗がん剤は、種類によって様々な副作用があり、自覚的なもとの、検査などでわかる他覚的なものがあります。

今日では抗がん剤の進歩、副作用の予防法や対処法の進歩により、副作用も大きく抑えられるようになってきていますが、切っても切れない関係にあります。

副作用が出現する時期

吐き気や脱毛、さまざまな症状はありますが、一度に出てくるわけではありません。使用された抗がん剤が体のどの正常な細胞に、どのような影響を与えたかにより、副作用があらわれる時期も期間もかわってきます。

使用開始後すぐに出る反応のなかで、危険なアナフィラキシーは投与開始直後に出ます。重い症状を引き起こしますが、多くあるケースではありません。

その他、じんましんや呼吸困難、発汗、腹痛、発熱、おう吐、血圧低下などの症状は、抗がん剤の投与中や投与後数時間以内に出ることが多いようです。



主な抗がん剤によっての副作用の症状

・脱毛
治療開始後2~3週間で始まり、最終治療後2~3ヶ月ほどで回復し始めます。

・倦怠感
回数を重ねるほどに倦怠感は蓄積しやすいといわれ、治療が終了したあとでも長期間持続することがあります。

・貧血
抗がん剤により赤血球やヘモグロビン量が著しく減少すると、組織が酸素不足に陥り、貧血の症状が現れます。

・感染症
骨髄の造血細胞がダメージを受けるため、血液中の白血球や赤血球が減少します(骨髄抑制)。

・口内炎
化学療法(抗がん剤)によって粘膜が傷つけられることによって起こります。粘膜の炎症が回復するまでには時間がかかるので、悪化させないようにすることが大切

・吐き気・嘔吐
抗がん剤が脳の嘔吐中枢やその受容体を刺激したり、食道や胃の粘膜に損傷を与えることで起こります。

・下痢
化学療法(抗がん剤)の作用による下痢には、腸管の蠕動運動が活発になるものと、腸管の粘膜にダメージを受けるものの2種類があります。とくにイリノテカンは激しい下痢を起こすことがあり、フルオロウラシルの併用療法では高頻度で下痢をきたします。

・便秘
最も便秘を起こしやすいのがビンクリスチンなどの植物アルカロイド系の薬剤です。予防と治療の基本は、水分を十分にとるとともに、下剤などを使って、便を柔らかくしたり、腸の運動を刺激して便通を整えることです。

・アレルギー
どの抗がん剤でもアレルギー反応(過敏症)が起こる可能性があります。なかでも、パクリタキセル、L-アスパラギナーゼは高頻度で起こります。

抗がん剤の種類

抗がん剤は、「細胞障害性抗がん剤」と「分子標的治療薬」に分類されます。「細胞障害性抗がん剤」はさらに、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗がん性抗生物質、微小管阻害薬等に分類されます。

アルキル化剤や抗がん性抗生物質はある一定の濃度に達すると、作用時間が短く確実に効きますが、正常細胞への攻撃も避けられません。

そこで現在、薬をより効果的にがん病巣に到達させる研究が盛んに行われています。

代謝拮抗剤
増殖の盛んながん細胞に多く含まれる酵素を利用し、増殖を抑え込もうとする薬です。代謝拮抗剤はプロドラッグといい、本来の働きをする前の化学構造を持った薬として投与されます。

この薬はがん細胞が分裂するときに効果を発揮するため、個々のがん細胞が分裂するときをねらい、長時間、持続的に薬を投与する必要があります。

アルキル化剤
もともとは、毒ガスの研究から開発された薬であり、遺伝情報の伝達など、生命の本質に重要な役割を果たしているDNAに働く薬です。

抗がん性抗生物質
細菌に対してペニシリンといった抗生剤が選択的に効くよう、がん細胞に対しても選択的に働く抗生物質があるのでは、という研究のもとに開発されました。

微小管作用薬
細胞の中にあり、細胞の分裂に重要な微小管というものの働きを止めることにより、がん細胞を死滅させます。微小管に対する作用の違いにより、ビンカアルカロイドとタキサンの2種類の化学物質に分類されます。

分子標的治療薬
従来の抗がん剤は、偶然に発見された細胞障害作用のある物質の研究によって、開発されてきました。そのため、がん細胞を殺す能力に重点が置かれてきたため、がん細胞と正常細胞を区別する力が乏しく、多くの薬物有害反応が生じていました。

しかし、近年の分子生物学の急速な進歩により、がん細胞だけが持つ特徴を分子レベルでとらえられるようになりました。



抗がん剤の費用について

抗がん剤治療を行う場合、局所に対しての治療ではなく、全身に対してがん細胞を破壊する効果があります。転移が進んでいるような場合に抗がん剤治療を行ないます。

また、抗がん剤治療に即効性は無く、何度か治療を重ねていくため、期間もかかり、それに比例し費用も高くなります。

そして抗がん剤治療は身体への影響もあるため、投薬期間と休止期間を繰り返して行われます。この1サイクルは1コースと呼ばれますが、1コース当たり30万円程度の費用が発生します。

1コースの期間は、約1.5カ月程度ですが、1度でがん細胞がなくならない場合、治療も2回3回と繰り返され、その分費用も倍になります。

抗がん剤の治療費を計算する際に、最も大きな影響を与えるのは、体の大きさ(身長と体重)です。

抗がん剤の標準的な使用量は、体重、もしくは体表面積によって決定されます。身長が高く、体重の重い方ほど、一般的に使用する抗がん剤の量は多く、従って抗がん剤の治療費は高くなることがわかります。

抗がん剤オプジーボが半額となる注目の記事

年間3500万円。この超高額の抗がん剤「オプジーボ」(一般名「ニボルマブ」)の公定価格(薬価)が、2017年2月から「半額」に。11月16日に開かれた厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)で、2017年度の50%引き上げが了承されました。
http://www.asahi.com/articles/ASJCH7H24JCHUTFK02Y.html

オプジーボとは、京都大学名誉教授の本庶佑氏が開発を牽引し、日本メーカーの小野薬品工業が世界に先駆けて発売した、がん免疫療法の治療薬。100ミリグラム約73万円で、患者一人につき月額の薬剤費が約290万円、年間なら約3500万円にもなる。

>>抗がん剤オプジーボとは
>>オプジーボで死亡例も?

国立がんセンターでは抗がん剤は効果がないことを認める!?

一方で2017.4.27、政府と国立がん研究センターが、高齢のがん患者に対する抗がん剤治療について「延命効果が少ない可能性がある」とする調査結果をまとめたことが26日、分かった。
http://www.sankei.com/politics/news/170427/plt1704270012-n1.html

この記事により、抗がん剤の効果がないという認識を持ち始めている方も多いのではないでしょうか。

しかし、表現的には「効果があるケースがある」という考え方が正しいのかもしれません。